罪悪感。
心理学の用語ですが、最近はずいぶん認知されている言葉かと思います。
ライトな使われ方をすることもありますが、本来はめちゃくちゃつらい感情です。
罪悪感があまりに強いと「幸せな人生を送れない」ということも起こります。
罪悪感から抜けるためにはどうすれば良いのか、罪悪感を持ち続けるとどうなるのか。
そんなことを心の視点から書いてみました。
罪悪感を消す方法って?
罪悪感を消したい!
そう考える方もいらっしゃるかもしれません。
ですが「消したい!」と思って罪悪感を消すことは、おそらくできません。
罪悪感は「消す」という考え方よりも「許して手放す」という意識を持つ方が効果的です。
例えば、悪いことをしてしまった!と思うとき。
または、やるべきことをできなかったとき。
いくら忘れようと思っても、心にはしこりが残ったりしないでしょうか。
さらに、忘れようとする自分自身がひどい人のような気がしてしまったり…。
(これは誠実な人ほど陥りやすい心理かもしれません。)
もし、あなたが誰かに何かをしてしまった、またはできなかった、という罪悪感がある場合。
その相手に心から許されたとしたら、あなたの気持ちは楽になるのではないでしょうか。
「許される」というのは、忘れようとすることよりも、はるかに大きな力を持ちます。
とはいえ、相手に許してもらうことが叶わない場合もあれば、相手から許されても罪悪感が減らないこともあります。
実は罪悪感を手放すただ1つの方法は、「自分で自分を許す」ことなんです。
周りに許してもらうことも、自分を許しやすくなるための、ひとつの「呼び水」だといえます。
結局は誰に許されても、最後は自分が自分を許すことでしか罪悪感を手放すことはできません。
自分を許すために必要なこと
では、自分を許すためにはどうすればよいのでしょうか。
大切なことは、今の自分にとってのベストを尽くす、誠意を尽くす。
今の自分にできることはもう何もない、と思える状態になること。
それに尽きるように感じます。
人は完璧ではないので、必ず間違いを起こします。
精神的に未熟であるときに、誰かを傷つけてしまうこともあります。
そんなとき、やってしまったことに対して今の自分ができる精一杯の謝罪やリカバーをする。
「今、自分にできることはすべてやった」という思いが、自分を許すことには不可欠です。
(そのために相手が望まないことをするのは、もちろんやめた方がよいのですが)
また、過去の出来事が悔やまれるけれど、今の自分にはできることがないというとき。
そんなときでも「あのときの自分では精一杯だった」と理解することはできます。
傷つけた相手がいる場合は「相手の幸せを祈ることしかできない自分」を受け入れる、ということも必要かもしれません。
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますが、これは許しにもいえることかと思います。
自分がやれることは誠意を持って出し尽くした。
そうしたら、どこかの時点で神様からの許しをいただいても良い時期は必ずあります。
もし、ベストを尽くしても罪悪感を感じて苦しいままだ、というときは。
強い罪悪感を心に留めておくことは、抑鬱的な気分や人間関係への恐れなど、心の健康に悪影響をもたらします。
カウンセリングなど心理的なサポートも、ぜひご検討くださいね。
悪いことをした!と感じるだけが罪悪感ではない
罪悪感は誰もが持つ感情
一般的に罪悪感とは「悪いことをしてしまった!」と感じる感情をさす場合が多いかもしれません。
ですが私たちの心理学では罪悪感とは「自分は罰せられるべき存在で、幸せになってはいけない」と感じる感情のことをいいます。
つまり、何をした・しないということとは無関係に「自分は罰せられるべき」と感じる感情をいいます。
罪悪感の心理的な解説はこちらからどうぞ
罪悪感とは -幸せを遠ざけてしまう感情
人の心の深いところ、深層心理とよばれる部分には、誰しもこの感情があるといわれています。
ですから心理的には、罪悪感の強い人というのは「自分は罰せられるべき」という感情に繋がりやすい人ともいえます。
罪悪感の強さの違いが生まれる背景は、生来の気質や育った環境などさまざまで、生きている限り罪悪感がゼロになることはないかと思います。
けれど、罪悪感を持ち続けていて良いことって、本当にひとつもないんですね。
罪悪感は百害あって一利なし
良い行いをするよう自分を律するときに必要なのは、罪悪感ではなくて自分や周りへの慈愛・尊重の気持ちです。
天狗にならないようにと謙虚でいることに必要なのも、同様です。
罪悪感の定義は諸説あるようで、なかには罪悪感のメリットをあげているものもあります。
ですが、罪悪感が自分を罰して「幸せになってはいけない」と感じる感情だとすると。
この感情を持ち続けるべき人というのはいないと思うんですね。
罪悪感から自分に厳しい目を向けると、それを他人にも投影して人の粗を探しやすくなります。
また、自分を責めているときには、投影によって他の人も自分を責めると感じて、健全な人間関係を築けなくなります。
「投影」の解説はこちらからどうぞ
「投影の法則」 あなたが変われば世界は変わる?
罪悪感から世界を見たとき、人の優しさを「申し訳ない」と感じ、愛されることを「迷惑をかけている」と悩むことすら起こります。
「幸せになってはいけない」という心の思う込みから、自分を幸せにしない捉え方をしやすくなるのです。
罪悪感って「百害あって一利なし」。
人の本質は、罪悪感を持たなくても、優しくも自律的にも生きてゆけるのではないでしょうか。
自分にかけた呪いを解くこと
あまりに強い罪悪感は、自分にかけた呪いのようだと私は感じているんですね。
「自分は罰せられるべき、幸せになってはいけない」
このことを観念として持ち続けると、心は様々なことを自分を責める材料にしてしまいます。
その結果、
・少しのことでも激しく落ち込む
・失敗から気持ちを切り替えられない
・過去の過ちから立ち直れない
・自責思考から離れられない
など、幸せでいることや人生を楽しむことを自分自身に許せなくなってしまいます。
社会的に悪いことをしたなら、もちろん償いが必要です。
誰かを傷つけてしまったら、謝罪が必要です。
けれど、世の中に「幸せになってはいけない人」というのは存在しません。
罪悪感は消そうとしても消えません。
罪悪感が自分にかけた呪いなら、最終的にその呪いを解けるのは自分だけ。
人からの許しや心理的なサポートはそのためのツールです。
「私は、私を許します」
この言葉を、何度でもあなた自身にかけてあげてください。
そして幸せになることを、あなたがあなたに許してあげてくださいね。
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