罪悪感とは?
罪悪感というのは「自分が悪い、自分のせい」「自分は罪を償わなければならない、幸せになってはいけない」という感情です。
ですから罪悪感があると、幸せを受け取ることができません。
笑うことや楽しむこともせずに、いつも重苦しい気持ちでいなければ…という感じがします。
また、この罪悪感が心の深いところにあって気づかないとき、意識せずに自分をぞんざいに扱うような行動をしてしまうこともあります。
例えば、度を超えたハードワークや辛いことばかりの恋愛などです。
大小はあれど罪悪感は身近な感情でもあります。
たとえば、
・自分の言葉で相手を傷つけてしまった。
・自分のミスで職場に迷惑をかけてしまった。
・誰かの悪口を言ったり、暴言をぶつけてしまった。
・約束の時間に遅れてしまった…などなど。
どんなことに対して罪悪感を感じるかは人それぞれですが、自分が「悪い」と思っていることをしてしまったときに必ず生まれる感情です。
罪悪感が原因となる態度
人は罪悪感を感じたとき、「すぐに謝る」という行動が取れないことも多いものです。
そして謝る代わりに、色々な悪い態度をとることがあります。
正しさにこだわる、正しさを使った自己防衛
おそらく誰でも、自分が悪いと感じるのは気分の良いことではないでしょう。
そのため、自分のしたことを正当化したり、過度に正しさにこだわったりします。
そこから「自分は正しい、あなたが間違ってる」というケンカや争いに発展することも多くあります。
また、自分が「悪い。罪を補わなければならない」と思えば思うほど「きっと他の人もそう思うに違いない」と感じるため「周りの人から攻撃される」という恐れができます。
相手の攻撃から身を守るための防御が必要になり、その方法として「正しさ」を使うこともあります。
これは罪悪感からの防衛のパターンといいます。
自分を正当化して相手を激しく攻撃する人は一見、高圧的にも見えます。
ですがそのようなとき、自分の正しさを過度に主張しなければならないほど、強い罪悪感がある場合も多いのです。
自己攻撃
罪悪感があるとき、自己嫌悪・自己攻撃が生まれます。
自分が悪いわけですから、幸せになることを許せません。
ですから、何か幸せな出来事があったとしても拒絶したり、疑ってしまいがちです。
素直に受け取ることができないんですね。
そして「自分は罰を受けなければならない」と思っていますので、積極的に自分を罰することもあります。
わざわざ選んでしんどい状況に身を置いてみたり、自分をどんどん幸せから遠ざけようとするのです。
ただ、罪悪感はとても辛い感情なので、潜在意識の中に押し込めていることも多く、自分では認識できていないこともよくあります。
そうすると意識上では「どうしてこんなに不幸なんだ」と思わざるを得ない出来事がたくさん起きたりもします。
もし、そのようなことによく出会うのならば、潜在意識・無意識の中に罪悪感があるのかもしれません。
逃避
人は居心地の悪い場所には居たくないと思うように、罪悪感を感じる場所や人からも離れたいと感じます。
たとえば自分のせいで悲しい思いをさせてしまった人を見るのが辛くて、距離を取ろうとすることがあります。
その人が嫌いになったということではなく、申し訳なさが強すぎて避けてしまう、ということも罪悪感があると起こるのです。
(浮気をした人がだんだん家庭に近づかなくなる場合などは、罪悪感からの逃避行動かもしれません)
罪悪感を手放す
罪悪感は、罪の意識、罰を受けなければという観念が作り出すものです。
では、どうすればこのしんどい感情を抜けられるのでしょうか。
罪悪感を癒すための大切なツールは「許し」です。
自分を許すというのはとても難しいことなのですが、そもそも罪悪感は真実ではないんですね。
本当に誰にも許されず、幸せになってはいけない人など存在しません。
たとえ何か悪いことをしてしまったとしても、それには事情がある。
そんなふうに、自分への攻撃を緩めて理解してあげる、というプロセスが必要になります。
(とはいえ簡単なことではないので、1人で頑張らずに信頼できる人と取り組んでいただきたいと思います)
また、罪悪感から他者を責めてしまっているときには、その理解を相手に対して向ける必要があります。
相手にも事情があった、そしてそんな相手を責めてしまう自分にも事情があった。
「自分も相手も悪くはなかった」そんなふうに思えたとき、罪悪感を手放すことができるのです。
最後に
罪悪感というのは、誰もが多かれ少なかれ感じる感情です。
完全になくそうとするよりは、上手に付き合っていくことが大切なのかと思います。
自分が何かしてしまったのなら「ごめんなさい」と謝る勇気を持つこと。
過ちのあった自分を受け入れてくれる、と相手を信頼すること。
相手の過ちの事情を理解して許す成熟さを持つこと。
そのように、「自分も人も受け入れたい」という意識が育まれると、人との繋がりをより深く実感することができて、罪悪感に苦しむということも減るのではないでしょうか。