本当の自分がわからないんです……
このお悩み、カウンセリングの中でも伺うことがあります。
本当の自分…考えれば考えるほどグルグル迷子になってしまいそうですよね…。
実は、本当の自分に出会いたいとき、「探す」というよりは「受け入れる」という感覚を持つ方が上手くいくことが多いのです。
「本当の自分がわからない」と感じるのはなぜ?
「本当の自分がわからない」と感じるとき、私たちの心の中には、セットで自己否定の感情があります。
なぜなら、自分にまるっとOKを出せているとき、私たちはこのような気持ちにはならないものです。
「この自分でいいのかな?」とか「こんな自分は嫌だな、苦しいな」って感じるときに、これは本当の自分じゃないのでは…?という感情が生まれるんですね。
心理学には自己一致・自己不一致という言葉があります。
自分の理想やイメージと実際の行動パターンなどが一致している状態を自己一致といい、イメージと現実のギャップがないので自分を肯定しやすく心地良いのです。
反対に、自分の理想やイメージとは異なる行動パターンをしている状態を自己不一致といい、この感覚が大きいことは、大きなストレスにもなります。
この自己不一致の状態のときに私たちは「これは本当の自分ではない」と感じて今の自分にNOを出し、OKを出せる自分を探したいと感じるのです。
本当の自分がわからないと感じるとき、まずはこの自己否定があるということを理解し、そのように感じる自分自身を受け入れることがとても大切です。
「本当の自分」を生きることへの制限
ではなぜ、あなたはOKを出せない自分で居続けてしまうのでしょうか。
これは心の防衛本能が影響していることが多いのです。
私たちは本来「こうありたい、こう生きたい!」という願いがあります。
そして実際に小さな頃、まだ心に何も制限がないときは、自由に自分を表現していたはずなんですね。
ところが人生のどこかで、自分が自由に生きることを否定されたり傷付くことがあると、心には「本当の自分を出すとダメなんだ」という観念ができます。
この観念のために、私たちはだんだん本来の自分を表現することを諦め、「受け入れられる自分」を生きるようになります。
そして、その状態への“慣れ”が生まれていつしか「こうありたいと思っていた自分」がわからなくなってしまうのです。
つまり「本当の自分がわからない」という感情は
①ありのままの自分ではダメだと感じることがあった
②自分らしい自分よりも周りに受け入れられる自分を生きるようになる
③それが当たり前になり、本来のありたい自分のイメージは抑え込まれる
④でも本当は嫌だと思っているので、今とは別の自分を模索したくなる
このような過程で生まれることが多いようです。
もちろんこれは人の心の作用ですから、弱いとかダメとか、そういうことではありません。
自分がOKを出せない自分で居続けるのには、そうすることで守ってきたもの(これなら受け入れられる・傷つかないという安心感など)があるわけです。
ですからまずは、このような心のブロックについて自分自身を理解してあげるとよいかと思います。
これは1人だとなかなか難しい作業なので、可能なら信頼できる人と一緒に取り組んでいただきたいところです。
「本当の自分で生きている」と思えるようになるには
本当の自分がわからないというお悩みは、言い換えれば「本当の自分を生きたい」という願望です。
今の状態を当たり前だと思っているときには、生まれない問題です。
けれど、今まで本当の自分を表現しないことで守られていた心があることも事実。
ですから、単純に「明日から好きな自分で生きよう!」とは思えない方のほうが多いでしょう。
今まではこの自分でも何とかなってきたけど、もうそれは嫌だな、疲れるな…
だけど本当の自分がわからないし、本当の自分を出すのは何だか怖い…
そのような心の声を、ひとつずつ見つけて今の自分の中にあるものとして受け止め、事情があって今の生き方をしているあなた自身を、責めるのではなく労ってあげてほしいなって思います。
あなた自身を労って心の余裕ができることで、
「本当はどうしたいのかな?」
「どんなふうに振る舞ったり考えたりしたいのかな?」
そのようなことを1つずつ叶え、こうありたいと願う自分と一致させてゆけるのではないでしょうか。
けれどこれって、いきなり階段を10段飛びできないのと一緒で結果を焦ってしまうと、よけいに上手くいかなかったりもします。
“思うようにできなくても、その都度自分に優しい態度で接しながら1歩ずつ「心地よくいられる自分」に近づいてゆければOK!” そんな心持ちで取り組むことがおすすめです。
(これもまた、自分を受け入れるということに繋がります)
私のカウンセリングの中でも、「1つずつで良いので、できたことから自分を褒めて進みましょう」ってお話させていただくことが多いですよ。
最後に
本当の自分というのはどこかにあってたどり着くものではなく、そもそもあなたの内側にあるものです。
あるけれど抑えてしまっている自分、だといえるんですね。
ですから丁寧に注意深く、その声を聞いてあげるということが必要になるのかと思います。
私自身も長い間このように感じて、自分が偽物を演じているように感じていました。
けれど、結局は“ぜんぶ自分”なんですよね。
たくさんある自分の中で、「どんな自分でいると、心地良く過ごせるか」ということなのだと思います。
そして抑えてきたものが大きいほど、期間が長いほど、心地よい自分に戻ることが難しいと感じるかもしれません。
もしあなたが今、1人では難しい…と感じていたら。
本当の自分を生きるお手伝い、ぜひさせてくださいね。
この記事をご覧の方におすすめ
アカウンタビリティ(責任の概念)〜人生を選択する力
◉カウンセリングを利用する
✴︎自分軸の幸せに向かう提案型カウンセリング✴︎
泉智子のカウンセリングご予約↓
06-6190-5131
(カウンセリングサービス:予約センター)
あなたのお悩み、ぜひ一緒に取り組ませてくださいね。
カウンセリングやご予約についての詳細はこちら