「最悪ではない、でも楽しくもない」という憂鬱

忙しい大人のための心理学

毎日それなりにこなしてはいるけど、すごく楽しいわけでもない。
なんだかモヤモヤしたり焦りのような気持ちがある。

自分より大変な人はいるし自分は恵まれているような気もるけど、楽しそうに生きている人を見ると、自分とは違う世界の人だと羨ましくなる…。

そんな「こなす毎日へのモヤモヤ」を抜けるための視点について書いてみます。

楽しめないときに、心に起こっていること

「楽しい」という感情に繋がりにくいとき、理由がわかっている時とそうではない時があるなって思います。

理由がわかっているとき

明らかに望む状況ではないとき、思い通りにいっていないという理由がはっきりしているときは、「決める→行動する」ことを繰り返すことが鍵になります。

ですが、その行動を起こせなくてモヤモヤしているのだとしたら。

「動くのが怖い」という大きな不安や、「どうせ無理」と感じる無力感が、心のなかで大きくなっているのではないでしょうか。

人には「やならい罪悪感」というものがあります。

頭で「こうしたらいい」と思うことができない時、どうしてもそんな自分を責めてしまうんですね。

やればいいのにできてない自分。

そんな思いが心にあると、日常的にモヤモヤやイライラを感じやすくなり、楽しさは減ってしまいます。

このケースでは、心の抵抗を緩めて決める・行動できる自分に向かうことが抜け道になります。

理由がわからないとき

楽しさに繋がれない理由がよくわからないこともあるかもしれません。

この原因はひとつではなくて、たとえば

・自分では気づかないうちに無理をして消耗している
・我慢をすることが日常的になっている
・人を優先することを当たり前にしすぎている

など「ストレスだと認識していないストレス」を抱えていることがあります。

そうすると、心は気づかないうちに抑圧され、喜び・楽しさという感情にも繋がりにくくなるのです。

もしくは、物理的な要因よりも根本的に「心が喜ぶことを制限している」ということもあります。
これは心の かなり深い部分の感情になります。

たとえば小さな頃、両親はいつも苦労していてつらそうだったとしたら…
無意識に子どもは「私だけ楽しんじゃいけない」なんて感じてしまうことがあるんですね。

そして大人になっても、この楽しんじゃいけないという「感覚」だけが心の深いところに残って、「何をしても楽しくない」とか、無意識に楽しいことから自分を遠ざけてしまう、ということがあったりします。

コンフォートゾンから出る難しさ

心理学では、慣れている行動や環境・人間関係など、自分が安心して過ごせる心理的な領域を「コンフォートゾーン」といいます。

人の心は良くも悪くも慣れを好むため、このゾーンから出るのはなかなか難しかったりするんです。

何がなんでも人生を変えたい!今がつらすぎる!

そんなふうにモチベーションが高いとき、人って爆発的なエネルギーが出やすくなります。

もちろんそれだけ「今」が苦しいということなのですが、意識・思考・感情のすべてで変化を求めて迷いがないときほど、状況が変わりやすくもあります。

けれど「すごくつらいわけでもないんだけど…」というとき。

現状で生活や心の安全は守られているので、「絶対になんとかしたい!」という強いエネルギーが出づらい状態になってしまうのです。

楽しくないと感じながらも何となく続く日常は、このコンフォートゾーンに居続けている状態なのですが、そこに満足感はないので「つまらない日常が変わらない」というずっしりとした閉塞感を感じてしまうんですね。

楽しく生きる、とはどんなことなのか

今の日常にモヤモヤした感情を感じているとき。

それを抜けるための方向性は

今の自分に楽しさやワクワクを感じられるようになる」(内面の変化)
「楽しさやワクワクを感じられる環境にお引越しする」(環境の変化)
「両方をいいバランスで組み合わせる」

こんな感じになるのかな、と思います。

今の日常で、楽しさやワクワクを感じるには

「楽しい」というのは感情です。
ですから、〇〇が△△になったら、必ず幸せを感じられる!という条件はないんですよね。

家庭があってもお金があっても幸せを感じられない、という人はいます。

逆に、心が「今ある幸せ」に繋がりやすくなると、環境には変化がなくても「楽しい!幸せ!」って感じられたりします。

慢性的なストレスを緩和させてリラックスできるだけでも、世界の見え方が変わって「良いもの」を見つけやすくなります。

たとえば、誰かからの愛や思いやりを強く感じられたり、当たり前の風景の美しさを感じたり、「幸せ受け取るアンテナ」の感度が上がると、日常の不足感が緩和しやすくなります

ちょっと極端かもしれませんが、苦労なく呼吸ができて五体満足で明日のお家と食事の心配がない、これって実は奇跡。

不満や焦りを感じているとき、どうしても「ないもの」に意識が向いて「すでに持っているもの」をちっぽけに扱ってしまいがちです。

自分の中にあるものや既に手にしているものに意識が向くほど、心は自然に感謝や楽しさを感じるようになったりします。

楽しいと感じられる日常にシフトするために

ですが、もし「今の環境では自分の求めるものは手に入らない」
そのことがはっきりしているならば、環境を変えることが良い気分のためには不可欠になります。

決して、今の状況に感謝してそれ以上を諦めることを勧めているわけではないんです。

もしかしたら、行動するのは「今」かもしれないし、少し先なのかもしれません。

ですが環境を変える行動に抵抗する感情があるなら、その感情に向き合うことは早い方が良いと思います。

なぜなら、「こうしたい」と「でもできない…」という葛藤は、心にとって強いストレスになるんですね。

心の葛藤が解消されることで
「この時期にこう動こう」
「そのために今はこれをやろう」

そんなふうに思いが定まると、「今」の心が元気になります。

もちろんすぐに動けるなら、それば素晴らしいことです。
けれど具体的な行動には移らなくても、ただモヤモヤ焦っている時間と虎視眈々と備えている時間では、感じる気持ちが変わります。

同じ日常の中でもひとつ目標が見えることで、心は別人のように軽くなることもあるんです。

楽しく生きるためのおすすめマインド

最後に、「最悪ではないけど楽しくもない日常」を抜けるポイントになるマインドについて書きたいと思います。

これは私自身がとっても「楽しさ」を感じやすくなったおすすめのアプローチです。

意識を人の目から自分の望みに向ける

日常が苦しいとか窮屈だと感じるとき、心のどこかに無理があります。

その多くは「人からどう見られるか」とか「ちゃんとしていなきゃいけない」という他人軸の意識が影響しているんですね。

人目を気にするって、自分が思っているよりも意識に深く染み付いていたりします。

何かをしようとするととき、無意識に自分の「こうしたい」よりも「これはどう思われるか」が勝ってしまい、自分が出せなくなっていないでしょうか。

他人の目が気になるあまり、本当にやりたいことが見えなくなってはいないでしょうか。

このように、もし人に否定されて傷つく自分のイメージが強すぎるとしたら、それを緩めることで心は本当にワクワクすることに向かいやすくなります

自分のことを、まるっと受け入れる

自分のことをあるがまま受け入れる姿勢を「自己受容」といいます。

これは自己肯定感と似ていますが、実は少し違っていて、自己肯定感の土台になるのが自己受容です。

自己肯定感は自分を「価値あるもの」だと思う感覚ですが、自己受容はそもそも価値など関係なく自分を受け入れる感覚です。

何ができなくてもいい、失敗してもいい、どんな自分でもいい。

そんなふうに自分のことをあるがまま受けれてあげることで、自己肯定感も安定しやすくなります。

楽しくないと感じるときの自己評価って「〇〇ができている私ならば認めてもいい」という、限定的な評価になっていることが多いようです。

「どんな自分でもいいじゃん♪」という肩の力の抜けた自己受容の感覚が育つほど、日常の中で無意識に感じている自己否定が緩みます。

そうすると、ポジティブとはまた違った、じわじわとした根本的な幸福感を感じられるようになりますよ。

**

最悪ではないけど、楽しくもない。

このゾーンにいてモヤモヤしている人や、とっかかりが見つからずに焦る人って少なくないのでは…って感じます。

もっと楽しく生きられるのでは……?
もしそんな気持ちがあるならば、あなたにはきっと今より楽しい世界が待っているはず。

人って本当に無理なことは本気では望まないみたいですから。

「私の場合は、まずどうしたらいいの?」というサポートはカウンセリングでもおこなっていますので、興味があればぜひお試しくださいね。

このお話が、あなたの「こなす日常」脱却のヒントになれば幸いです。

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