愛したいものがあるのは幸せなはず、だけど
家族や仕事、夢など、とても愛している存在が、一方で他の愛したいものへの足枷になってしまう。
大人になって大切なものが増えた時に、このような葛藤を抱えた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
たとえば。
パートナーとの時間は大切にしたいけど、もう少し仕事を頑張りたい。
子どもは命より大切だけど、自分自身のやりたいこともある…などなど。
愛するもの、大切なものがたくさんあるというのは、本来とっても幸せなことです。
ですが、そのすべてをきちんと扱いたい、誠実に向き合いたい。
そう思うからこそ、色々なものを抱えることが苦しく感じてしまうこともあるのかと思います。
この葛藤に苦しむ人って、中途半端が許せなかったり、愛する対象には存分にエネルギーを注ぎたいという情熱家なんですね。
なぜなら、始めから「自分のできる範囲のことで充分だ」と思うなら、このような葛藤は生まれないからです。
そして、二兎三兎を求めてしまうくらいのバイタリティの持ち主ともいえるのかもしれません。
そのような方が、いろいろな“愛したいもの”をぜんぶ上手に愛するために、この記事がお役に立てれば幸いです。
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なぜ、愛したいものが多いと葛藤が生まれるのか
さて、愛するものや大切なものがたくさんある状態が、なぜ葛藤を生むのでしょう。
多くの人は、好きなと一緒に時間を過ごしたり、好きなことに没頭したり、自分の時間や労力やエネルギー(それはぜんぶ、ご自身の大切なリソース[資源]です)を使って大切なものを愛しているかと思います。
ですから大切なものが多くあると、それぞれにかけるリソースが分散することになります。
「どれか1つに100%を注ぎたい、けれどできない」という気持ちから、葛藤が生まれるのです。
私自身も、仕事と家庭(夫と小学生の子ども2人)を持ちながら、長年カウンセリングの勉強を続けており、このような葛藤やもどかしさを飽きるほど感じてきました。(あ、今でもあります^^;)
長年、私の頭はこんな感じでした。
「仕事は生活のために必要、子どもが小さい時期はたくさん一緒に居たい、夫との時間も大事にしたい、だけどそうすると、心理学の勉強に使える時間は圧倒的に他の人より少ない…。
自分のためにだけ時間を使える人が羨ましいな。イヤイヤそんな、大事な家族を邪魔者扱いするなんて…!そもそも私は、できない理由を探しているだけなのでは…」
こんな思考をぐるぐる巡らせ、その時々で家族を負担に感じたり、心理学の勉強を負担に感じたり、どちらにも100%コミットできない自分の立場を歯痒く感じては、また愚痴っぽい自分が嫌になる…というようなことを繰り返していました。
ですが、家族、仕事、パートナー、子ども、そういう人生の「幸せの核」になるような事柄は、どちらが大事って比べられるものではないのですよね。
ご飯かデザート、どちらを選ぶ?と言われたら「そういうことじゃない!」って思いませんか?
「何かを諦めるのではなくて、愛したいものをすべて愛せることが幸せ」
これは、私が声を大にして伝えたいことです。
とはいえ、それぞれに使えるリソースが分散するのは変えられないこと。
では、どうすればたくさんの「大切なもの」を上手に扱えるようになるのでしょうか。
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愛したいものたちを上手に扱うための、バランス感・自己信頼・コミュニケーション
いくら愛したいものがたくさんあったとしても、私達は万能な存在ではないので、一人の人間が持てるもエネルギーも労力も、何より時間も、限られているんですよね。
もし、愛したいものがたくさんあり、すべてを上手に愛したい、大切に扱いたいと思うなら、自分自身に課せられている制限を認識し、どのようにクリアするかが大切になります。
そこで意識したい部分が、自分と大切な人が納得できるバランス感、自己信頼、大切な人とのコミュニケーションです。
自分も、自分の大切な人も納得できる、無理のないバランス感
抱えるものが多いほど、それぞれに使えるリソースは分散されます。
体は1つ、1日は24時間、それは変えられません。(時間の密度は変えられますが)
どのように使うかはもちろん人それぞれですが個人的には、自分が我慢しすぎない、そして自分の大切な人にもできるだけ負担を感じさせない、ちょうど良いバランス感を探すのがおすすめです。
例えば、「仕事を頑張りたい」と思って、そのぶんパートナーとの時間を仕事に充てるとします。
その度合いが多すぎるとパートナーが不満に感じたり、そのことで自分も「パートナーを大切にできていない」という罪悪感が生まれたりもします。
逆に、パートナーに気を使いすぎて思うように行動できないと、今度は自分ばかりが我慢しているような不満感につながりやすいのです。
ですから、双方にとって無理のない良いバランスを見つけることは、このような罪悪感や不満感を極力減らせる、というメリットがあります。
また、人が全力フルパワーで頑張れるのは3ヶ月が限界だといわれています。
短期・長期の期間も含めて、無理のない(=できない自分を責めることのない)やり方の模索も必要かもしれません。
自己信頼がモチベーションを保つカギ
あれもこれもとバランスをとりながら何かを成そうとする時に特に大切になるのが、モチベーションを保つことです。
ではそのためには、何が必要なのでしょうか。
人は、自分の心が本当に喜ぶことにしか、モチベーションを保てません。
自分の外側からの評価や報酬のために頑張ることも短期間なら可能かもしれませんが、自発的にモチベーションを保ち続けるには、もっと強い目的意識が必要になります。
その目的意識のもとになるのが、「自分は望むものを手にできる」という、自己信頼です。
自分が上手くいくことを信頼できると「ぜんぶを愛せたら、手に入ったら、どんなに幸せだろう!」と、豊かな未来をはっきりとイメージすることもできるので、「そのために頑張ろう!」と思い続けられるのです。
自己信頼がないと、目的意識が希薄になってしまいやすいんですね。
「何のためにこんなに頑張っているんだろう…」という無意味感から、モチベーションが下がる経験をしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
また「できるかな、できないかな…」と迷っている時は、できない方に意識が引っ張られがちです。
誰でも失敗するのは怖いし、ダメな自分は見たくないので、防衛本能がそのような心の傷から自分自身を守るために「やめときなよ〜」ってささやいてきます。
ですが、「やる!」って腹を括ると、恐れのエネルギーが減って、意識のすべてが「どうしたらできるか」を考えてくれるんですね。
恐れに50%を使うより、自分を信じて進むことに100%のエネルギーを使う方が強い、ということは想像していただけるのではないでしょうか。
大切な人とコミュニケーションをとりながら進むこと
自分の時間をすべて自分のために使えないという場合、それは大切な人の生活にも影響することが多いかと思います。家庭を持つ人なら、パートナーと過ごす時間が減ったり、子どもにかける時間が減る場合もあるでしょう。
そのような時に必要なのが、自分を近くで助けてくれる人とのコミュニケーションです。
例えば。家庭を持つ妻(夫)が、何かやりたいことを見つけたとします。
その時に必要なのは、まずパートナーや家族に「自分が何をしたいのか、何を考えているのか」を共有すること。
そうしないと、その後の自分の状況や気持ちも、すべてを1人で抱えることになりがちです。
目標に進む過程の、嬉しいことも苦しいことも1人で受け止める。パートナーは蚊帳の外。
このような状態が続くと、共有できる感情が減り、家庭の中で1人ぼっちのような感覚になりやすく、パートナーとの間に心の距離が生まれることもあるのです。
もちろん、物理的に協力を頼むことが難しくなる場合もあるかもしれません。
そうなると、どんどんパートナーを「自分を助けてくれない人」として見るようになり、関係性が悪くなってしまう場合もあります。
また、この例の場合は夫(妻)の視点で考えてみても、大切なパートナーが自分を頼ってくれないわけですから「役に立てないのかな…」と寂しく感じることもあるでしょう。
ですから、大切な人と丁寧にコミュニケーションを取りながら進めることが、とても大切なんですね。
そして、何かを必死に頑張る過程では、つい関係性の近い人に甘えが出て「こんなに頑張ってるのに、わかってくれない!」て思ってしまったりもします。
そんな時にはふっと力を抜いて、狭くなっている視野を周りに向けてみること、あらためて、近くにいてくれる人への愛や感謝に立ち返ることが必要だったりします。
自分に余裕がなくて周りの愛や優しさが見えなくなることも時にはあるのですが、そのような時、私たちはつい相手を攻撃してしまいがちです。
「大切な人との関係性に自分でヒビを入れること」 それは決して自分を幸せにはしません。
愛するものを増やし、より豊かになる過程で、今ある愛を失ってしまっては本末転倒です。
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大切な人の幸せも自分の幸せ、すべてを愛して豊かに生きる
愛するものや守るものが多い人の幸せって、自分だけで完結しないことが多いかと思います。
家族が、パートナーや子どもが幸せであること、それをひっくるめて「自分の幸せ」になるのではないでしょうか。
私たちの感情は、誰かを愛している時ほど幸せを感じますし、愛は与えるほど増えて心を豊かにしれくれます。愛する人が笑っていなければ、自分だけが成功しても、多くの人にとってそれは幸せとは言えないのかもしれません。
ですから、単一で考えればマイナスになること(時間やエネルギーを100%割けないこと))も、トータルで考えると、それが自分にとっては最良の選択だと言えるのでは?思うのです。
このように広い視野とバランス感覚で幸せを考えていくには、少し客観的な視点に立ち、「自分にとって本当の幸せってなんだろう?」と考える時間があってもいいのかもしれません。
私のカウンセリングでは、みなさまの幸せを一緒に考えさせていただく、そんなお時間を提供させていただくこともあります。
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最後に
仕事、家族、子供、パートナー、など、たくさんの幸せを考えていくとき、何か一つを極めようと決めた人のように行動することは難しいと感じるかもしれません。
ですが、「そもそも自分の人生の幸せは何だったのだろう?」 そう考えた時に、あなたが選んだ幸せこそが最良の幸せだと思える人生も、また素敵なものではないでしょうか。
何か1つを愛しぬく生き方も、たくさんを愛する生き方も、どちらもそれぞれの幸せ。
あなたの選んだ生き方で幸せになれる方法が、きっとあるはずです。
あなたがあなたらしく、愛したいものすべてを上手に愛し、豊かな毎日を過ごせますように。