自分ばかり損してる?と感じやすい人へ

忙しい大人のための心理学

「いつも自分ばかり……」という感情の解説

何だか自分ばかり、いつも損してる気がする…

そんなふうに感じてしまう時はないでしょうか。

仕事で、友人関係で、恋愛や夫婦関係で。

対人関係で感じる「損してる」という感情は、実は誰かとの比較で生まれる感情です。
そして、この感情が湧く時、多くの場合は「あの人より自分の方が我慢をしている」という認識がないでしょうか。

同じ行動でも、自分が望んでやってることには「損してる」とは感じないと思いませんか?

例えば。
周りから見たら奥さまばかり働いて、夫さんは楽をしているように見えるご夫婦がいたとします。
でも、奥さま本人が「私が楽しくてやってるの♪」ということであれば、そこに損はないわけです。

また、友人同士で集まる時に、いつも同じ人が幹事をしてとりまとめをしている場合。
これも、ご本人が好きでやっているならば、損してるという感情にはなりません。

つまり、損してるという感情は、何をするか・どんな状況かが問題なのではなく「そこに我慢があるかどうか」がポイントになるんですね。

損をしてでもやってしまうのは恐れがあるから

損してると感じやすい人は我慢の多い人、という前提で、ちょっとその心理を深堀りしてみます。

できるなら、誰しも損はしたくないし、我慢もしたくないはず。
それでも我慢が多くなるのは、どうしててしょうか。

実はそこには「我慢をしない自分はダメなのでは」という恐れの心理があることが多いのです。
本当はやりたくない、でもこれをしないと嫌われるかも、場の空気が悪くなるかも、相手を不機嫌にさせてしまうかも…。

そんな思いから、本当はやりたくないことを「我慢して」やってはいないでしょうか。

そうすることで周りは苦労せずに物事がスムーズに進み、さらに思ったほどの感謝や労いもないとよけいに「あぁ、自分ばかりが損してるなぁ」って感じてしまうのではしょうか。

望まないことを我慢してやる時、そのことを自分で納得できていれば問題はありません。
ですが、納得はできないけれどもやらなければ…という心理の時、多くは心に恐れがあるんですね。

「もしこれをやらなかったら…」の次に続く言葉は、どんな言葉でしょうか。
どうなってしまうと感じているのてしょうか。

「自分ばかり損してる」を卒業する方法

恐れからの行動を減らしてみる

実は、損をしやすい人というのは存在しません。

損をしやすいのではなく、心にある恐れから我慢の行動が増えた結果、我慢をしていない人と比較して「損してる」と感じてしまうのですね。

つまり損をしたくないと思ったら、恐れからの我慢の行動を減らすことが効果的です。

とは言っても、誰かがやらなきゃいけないでしょ
我慢しない自分なんて評価されないかも…

そんな声も聞こえてきそうですが、つい我慢をしてしまうという行動には、損を引き受ける自分でなければ認められない・受け入れられないという信念がある場合も。

そのような信念を持っている時、実は周りの人の愛や優しさをスルーしてしまっていることもあったりします。
あまりに恐れが強いと意識が自分に集中して、周りを冷静に見れていないことも多いものです。

「我慢しなくても受け入れられる自分」を感じられるようになると、Noを伝えることへの抵抗が減り、「損してる」という感情も徐々に減ってくるのではないかと思います。

とはいえ慣れ親しんだ行動を変えるというのは、これまた恐れを伴うことでもあります。
1人で難しい時には、カウンセリングでも、手強い恐れを手放すセラピーなどもありますよ。

自己承認や喜びを増やしてみる

もちろん大人になれば、現実的に我慢をしてでもやらなければいけない、そんなこともあるかと思います。そんな時は、心理的な捉え方を変えてみるという方法もあります。

どうしても、誰かが我慢してでもやることが必要なら、それは必ず何らかの価値があるはずです。
必ず誰かの役に立っているし、誰かを助けていることになるのです。

そのようなことを引き受けているご自身を少し蔑ろに扱ってはいないでしょうか
(あくまで周りの評価とは関係ない、自己評価の部分です)

自分のしていることをちっぽけで瑣末なことだと感じている時には、達成感を感じられません。
そんな時、イキイキと楽しそうな人と比べて「損してる」という気持ちが生まれやすい、ということもあるのです。
周りの評価とは別に、ご自身の誠実さや責任感をしっかりと承認していただきたいなって思います。

また、行動としては同じでも、その行動を起こす心の状態が変われば、気分も変わります。
恐れと我慢からの行動はストレスや不満に繋がりますが、「誰かのため」という愛や優しさからの行動は充実感に繋がります。

例えば、同じ「歳をとった親の面倒を見る」という場合。
「他の兄弟から押し付けられてしまった」と思えば損してると感じますが、
「これも親孝行の良い機会だ」と思えば、良い時間が過ごせるかもしれません。

損を選んでしまう奥にある才能

つい、いつも損を選んでしまう方は本来、調和を大事にして周りの人に心配りができるという才能があります。
職場でも恋愛でも、このような人の人の周りには人が集まりやすいのです。

ですが自己承認が充分にできず、周りの目を「自分を責めるもの」として認識していると、本来の才能が閉じて我慢によって承認を得ようとしてしまうということが起こります。
(もちろん、こういった行動や認識にも理由があり、変えてゆくことができます)

あなたが本来の才能を使う時、自分が楽しみながら誰かの役に立てる・与えられる、そんな関係性が作れるはずです。

最後までお読みいただきありがとうございいました^^

こちらは我慢の心理・その問題についてのお話です↓
我慢が辛い!という方へ-我慢の心理と手放す方法