何だか自分ばかり、いつも損してる気がする…
そう感じてしまうこと、ありますか?
仕事で、友人関係で、恋愛や夫婦関係で。
そのようなときに「私はこういう性格だから…」と落ち込む人もいるかもしれません。
けれど、これは単なる性格の問題ではなく、心の反応パターンや観念とよばれる深い思い込みが関係していることも多いんですね。
また、発達性トラウマと呼ばれる子どもの頃の“強烈ではないけれど繰り返しかかるストレス”が影響している場合も。
“自分ばかり損してる”と感じる心の仕組みと緩め方について解説します。
「損してる」と感じるときの思考と行動のパターン
「損してる」という思いが生まれるには、たとえば次のようなパターンがあります。
①何か頼み事や相談、打診などをされる
②「断ったら嫌われるかも」「私がやらないと迷惑がかかる」 と考える
(不安や罪悪感、恐れなどの感情を感じている)
③本当は嫌だけど、我慢して受け入れる・引き受ける
④その蓄積で「自分ばかり損している」と感じる
ポイントは、本当は嫌だけどやらないと誰かに責められたり嫌われるという不安や恐れから“我慢している”ということなんですね。
「自分が損をしてでも責められたり嫌われるよりはマシ」
その思いからの我慢の蓄積で“損をしている”という感覚はつくられます。
どうして我慢を選んでしまうのか
嫌だけど我慢を選んでしまうときには、
「いい人でいないと見捨てられるかもしれない」
「自分は後回しにして人を優先しなければいけない」
「期待に応えない自分には価値がない」
このような無意識の思い込みが原因になっていたりします。
「断る=関係が壊れる・失望される」という思いがあると、結果として“我慢して引き受ける”という行動が増えます。
そしてこの「自分の感情よりも人の反応を優先する」意識の原因が、冒頭の発達性トラウマであることも多いんですね。
人の反応を気にしてしまう“発達性トラウマ”の影響
我慢をしてでも相手を優先したり期待に応えようとする人は少なからず
・空気を読まないと安全でいられない
・大人に気を遣うことや我慢が必要
・自分のニーズを自由に表現することが難しい
という環境で育っていることがあります。
そうすると心は「我慢しないでのびのびする自分は受け入れられない」という観念をつくります。
(これは特定の環境から生まれた誤解で、真実ではないのですが)
そして大人になってからもこの感覚・観念は更新されずに残り、自分を守るために「自分の感情より相手の反応を優先する 」という行動を選びやすくなるんですね。
「損をするのは性格」ではなく、小さくて弱かった自分が安全に生きるための防衛反応が今も続いている、ということも多いのです。
「自分ばかり損してる」をどう緩めるか
もしあなたが「損を選んでしまう自分」を変えてみたいと思うなら。
毎日の生活の中で、ほんの少しでも考え方と行動を今までとは違うものにすることが、変化につながるかもしれません。
具体的な我慢の場面に気づく
まずはあなたがどんなときに我慢をしているのかをモニタリングしてみてくださいね。
今の自分の思考・感情・行動を丁寧に観察することは、何か変わりたいことがある時の起点になります。
人との関わりの中で自分を抑える感覚を感じた時には「今、本当にそうしたいと思ってる?それとも嫌だけど我慢している?」とあなたの心に聞いてみてあげてください。
この問いを癖にすることで、自分自身の感情を把握しやすくなりますよ。
小さなNoを伝えるチャレンジ
自分がどれだけ我慢をしているかを改めてモニタリングしてみると「うんざり」とか「もういい加減にしたい」という気持ちが出てくるかもしれません。
(私自身はこのモニタリングをしばらく続けたときに心底、うんざりしました^^;)
普段の生活で我慢をしているということが十分感じられたら、今度は行動を変えることにチャレンジしてみませんか?
といっても、いきなり何かを大きく変える必要はありません。
まずはできるだけハードルを下げて小さな「No」を伝えることがおすすめです。
たとえば、無茶な仕事の依頼ならば
「それは難しそうですが、〇〇なら可能です」とか
誰かの誘いに気乗りしないときには
「ごめん、その日は無理なので来週はどうかな?」など
譲歩をお願いすることが、Noを伝える練習になりますよ。
とはいえ、今まで周りを優先してきた心優しい人にとっては、このような言葉も勇気がいるかとは思います。
けれど「Noを伝えても関係は壊れない、責められない」という体験を少しずつ増やすことが、長く抱えてきた観念のパターンを手放す時には必要になるんですね。
新しい経験から安心感を育てる
恐れからの我慢を緩めるには、自分の気持ちや意見を伝えても大丈夫、という新しい感覚が必要になります。
人って頭では理解できていても、感覚として納得しないと変われないもの。
そのためには「思ったよりも大丈夫だった」という「経験」をすることが大切なんですね。
もしかしたら、子ども時代の環境ではNoを伝えることが許されなかったのかもしれませんし、空気を読まないと大変なことが起きたのかもしれません。
そこまで危機的ではないとしても、子どもは「安心」を感じられないお家では、無意識に人を警戒して空気を読んでしまう繊細さを持っています。
・自分を優先しても良いという感覚を、小さな成功体験から感じる
・今までと違うことができた自分を承認してあげる
この繰り返しで「我慢をしなくても大丈夫」という感覚を、少しずつ育ててあげてくださいね。
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このようなモニタリングや反復練習は、1人で取り組むには難しかったり負担が大きい時もあります。
それから、Noを伝える練習は相手を選ぶことがすごーく大切です。
もし、ブラック企業の上司よのうな人に勇気を出してNoを伝えてこっぴどく叱られたりすると、傷の上塗りになってしまいますからね…。
不安を感じたときには、カウンセリングという安全基地で作戦会議をしながら取り組むこともご検討くださいね。
最後に〜損を選んでしまう奥にある才能
いつも損を選んでしまう人は本来、調和を大事にして周りの心配りができるという才能があります。
職場でもプライベートでも、このような人の周りには人が集まりやすいんですね。
子ども時代の自己犠牲の多くは、親の喜ぶ顔が見たいとか迷惑をかけたくないという愛の形です。
ですが自己受容や自己承認の感覚が十分に育たず、「相手を優先することでしか受け入れられない」と感じると、本来の才能は閉じてしまい、我慢することで自分を守ろうとしてしまうのです。
あなたがのびのび生きられるほど、自分も楽しんで誰かの役にも立てる・与えられる、そんな関係性がつくれるはずです。
もし今のご自分が損を選んだとしても、そんなふうに柔らかい期待を向けてあげて欲しいなって願っています。
あなたの世界が、今よりもっとやさしいものになりますように。
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