子どもにイライラしてしまう自分が嫌だ、と感じる心理とその対処法

忙しい大人のための心理学

子どもにイライラしてしまう、つい声を荒げてしまう。
そして、そんな自分が嫌になる。

この状況、親である多くの方が経験することではないでしょうか。
子どもに優しくできない…そのようにお悩みの方のお役にたてれば幸いです。

子どもにイライラするのはあなたのせいじゃない

イライラについての心理的な解説

まず始めに。
わが子にイライラしてしまうのは、決してあなたが未熟だからではなく、あなたの心に余裕がなくなっているから

「イライラする」という状態は心理的には、ストレスを感じることが次々にやってきて、心が疲弊してスムーズに対処できなくなっている状態といえます。

心はストレスがかかると、それを乗り越えようと頑張ります。
ですが、「えいっ!乗り越えた!」と思ったらまた次のストレスが……。
そんなことが繰り返されて充分に休むこともできないと、心も体と同じく疲れてしまいます。


すると、元気な時にはできていた「受け流す」とか「気持ちを切り替える」ということが上手くできなることが。同じ状況でも、疲弊した心ではマイナスの感情が上手く処理できなくて、膨らみやすくなってしまうのです。

育児の場合は現実的に、寝れない・休めないなどの肉体的な負荷が心理的な余裕のなさにつながることも多いですよね。(私も産後、寝不足で人は優しさを失うのだと痛感しました…💦)

赤ちゃんの時はわけもわからず思い通りにいかないのが日常。
歩くようになれば寝るまで目を離せない。
ちょっと大きくなれば生意気や反抗的な言葉を投げられたり。

わが子を愛していることとは別の次元で、「ストレスのない育児なんてない」と個人的には思ってます。

あなたは毎日、すごく頑張ってませんか?

さらに、多くの親御さんは365日子どものことだけを考えてはいられない、という方がほとんどかと思います。
日々の仕事や家事、介護などと同時進行だったり、家庭以外の人間関係などの色々なタスク。

それを全部やり切るのは、実際かなりの重労働のはず。
周りはみんなできている、なんて思いがちかもしれませんが、「みんなやってるから当たり前」ではなくて、「あなたも含めたみんながすごい!」のです。

ですから、イライラしないに越したことはないのですが、まずは
イライラしても仕方ないくらい大変なことを、毎日本当ーーに頑張ってるんだ!!」と認めてあげてくださいね。

そして、子どもに優しくできない自分が嫌になる時、まずは「私が悪いんだ」ではなく「私には余裕がないんだ」という考え方が大切です。

子どもに優しくできなくて嫌だ…と思うとき、あなたは困っている状態です。
困ること、しんどいと思うことを自分に許してあげてくださいね。

このようなものごとの捉え方を「認知」というのですが、どのような認知をするかで気分が変わり、行動も変わってきます。
ですから、同じ状況でも「どのように見てあげるか」がとっても大切なんですね。

子どもにイライラして悩むのは、そこに愛があるから

そもそも、子どもにイライラしてしまうって悩んだり凹んだりするのは、“「わが子に優しくしたい」という愛があなたにあるから”なのですよね。
「イライラしても仕方ない」って本当に思っているならば、問題には感じないと思いませんか?

さらに、
余裕がなくてイライラして子どもに当たりがキツくなる
→そんな自分を責めてよけいに余裕がなくなる
→さらに子どもに悪い態度をとってしまう

優しい方や誠実な方ほど、この悪循環ループに陥りがちかもしれません。
優しく誠実でありたいと強く思うほど、それができない自分へのダメ出しも強くなります。
そして激しく自分を責めている時、意識は自分の罪悪感に向いて、それ以外のことが見えなくなってしまいがちなのです。

視野が狭くなり心が張り詰めていると、小さな刺激でも感情の振れ幅は大きくなり、よりイライラや罪悪感も強く感じてしまいます。
些細なことにイライラする自分に更にイライラして、もうどうにもならない!!
こんなお気持ちを経験したこと、ないでしょうか。

イライラ→自分責め→さらにイライラ…のループに陥りそうな時はどうか、「優しくないことが許せないほど、私は子どもに優しくしたいんだ」というあなたの愛に、意識を向けてみてくださいね。

子どもへのイライラから離れて「ありたい自分」になってみる

ありたい自分をイメージする

子どもにイライラする自分を責めている時、もう1つ見えなくなっていることがあります。
それは「望むような私で子どもと関われたら、私はどれだけ嬉しいのか」ということです。
せっかくの限りある時間、本当はご機嫌で過ごしたいと思いつつも、ついそれを忘れがちかとも思うのです。(もちろん私も含めて、です…💦)

実は、私たちの感情は共鳴すると心理学では言われています。
親のあなたの心の喜びは周りに伝播して、あなただけではなくお子さんの心が喜ぶことにも繋がるんですね。

ちなみに「ありたい自分」とは、こうあらねばって倫理的に考えるのとは、少し違っていて。
「こうあらねば」は義務なので、できると安心はするけれど、幸せは感じにくかったりします。
ですから、こうありたいと“望むこと”が大切になるのですね。

ちょっと想像してみませんか?

本当は、どんな親でいたいのでしょうか。
我が子にどんな態度で接することができたら、あなたの心は喜ぶのでしょうか。

ありたい自分で行動してみる

そして、その「ありたい自分」のイメージができたら。
たとえ形だけでも、まずは1回だけでも、実際にやってみることをおすすめします。
気持ちが入らなくても、無理があるなと感じても、“演じる”くらいの気持ちでも良いかと思います。

たとえば、
キーー!!って色々言いたいことをグッと抑えて、優しい言葉をかけてみる。
そんなこと…(ため息)って思うのを飲み込んで「すごいね!」って笑顔で共感してみる。などなど。

なぜ、こんなことをおすすめするかというと。

形だけでも「こうありたい自分」で子どもと接することができると、それは成功体験として心にインプットされます。
「できた」ということで良い気分を感じられたり、さらにわが子の嬉しそうなリアクションが返ってくれば、より心は喜ぶかもしれません。

始めは形を演じただけでも、その行動によって心が動けば「もっとできたらいいな」というモチベーションに繋がったりもするんですね。
ですから、まずは演じるでもよいので行動として実際にやってみて、あなたの心を喜ばすということを経験していただきたいなって思います。

子どもにイライラしちゃう自分、それでも子どもは愛してくれる

日々余裕がなくて、わが子に本当に伝えたいことを伝えられてない親御さんって、けっこう多いかと思います。
私もよく「こんなことを言いたいわけじゃないのに!」って後から後悔します^^;

けれどもそんな態度で接しても、どこまでも自分を必要として大好きでいてくれる子どもの愛って凄まじいな、偉大だなって感じるんですね。
もし、わが子への態度と同じように他人に接したら。
人間関係、一発アウトになることすらあるのではないでしょうか。

時には、そんな「子どもに無償の愛を与えてもらっている自分」をしっかりと感じてみると、ありたい自分からズレた心が、望む場所に戻りやすいかもしれません。

育児真っ只中という限りある期間、どうか親子で一緒に、楽しさをいっぱい感じられますように!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。