社会で生きる大人には、自分の意思や都合とは関係なく頑張らざるをえないこともたくさんあります。
けれどそのようなことが長く続くと、日々の頑張りの意味を見失って虚しくなることも。
そんな虚しい感情についての解説と、心理面でのケアについてのお話です。
人が頑張るために必要なこと
人が何か行動するとき、そこには必ず心理的な理由付けがあります。
〇〇したいから△△する、〇〇が欲しいから△△する、というふうに。
そして「頑張る」というのは、行動の中でも心身にかかる負荷が大きい行動になります。
例えば
仕事を頑張る→仕事に関わる時間を増やしたり、少し難しい内容にチャレンジするなど
家事を頑張る→適度だと思う量以上のタスクをこなす、そのために自分の休息が減ることもある、など
何を頑張るかの基準や内容は人それぞれですが、負荷が大きくなるほど、それに見合った「ご褒美」がないとモチベーションを保つことは難しくなります。
〇〇しないと大変なことになってしまう…といった「恐れ」も行動の動機にはなりますが、恐れからの行動は心を疲弊させやすく、長続きしにくかったり、無理に続けることで心身を壊してしまうこともあります。
ご褒美=ニーズが満たされること
たとえば同じ行動をしていても、それをどう感じるかは人それぞれです。
同じ仕事をしていても充実している人もいればつまらないと感じる人もいます。
同じ家事をしていても、楽しさを感じる人もいればつらさを感じる人もいます。
この感じ方の差が「ご褒美を感じられているか」なのですが、心の分野のご褒美は目には見えないことも多いです。
仕事なら、お給料さえ高ければ全員が満足できるというわけではないし(高いことは嬉しいですが笑)、どんなことを仕事に求めるかは人それぞれですよね。
心の分野でのご褒美は「良い感情を感じられること」です。
そして良い感情は「ニーズ(欲求)が満たされること」で感じることができます。
もし、お給料が高いことがご褒美だと感じる場合。
そのことから「安心して暮らしたい」「評価されたい」というニーズが満たされているんですね。
家族の笑顔がご褒美だと感じるならば、「笑顔が見たい」というニーズが満たされているわけです。
ご褒美である良い感情を感じられないまま頑張り続けていると、何のために頑張るのかわからない…と感じることは多くなります。
虚しさを抜けるためにできること
では、心理的なご褒美を感じていきいきと過ごすには、どうしたらよいのでしょうか。
「自分にとってのご褒美」を明確にする
繰り返しになりますが、何がご褒美だと感じるかって本当に人それぞれです。
昔より価値観が多様になり「これがあれば誰でも幸せ」ということは減っています。
だからこそ、世間の価値観ではない「あなたにとってのご褒美は何?」ということがますます大切になります。
もっとこうなればやり甲斐になる、楽しんで頑張れそう。
そんなふうに感じられるご褒美を、想像してみてくださいね。
それは、人からの感謝や承認、評価としてのお金だったり、単純に楽しい!好きだ!って思える気持ちかもしれません。
人から見たらわけのわからないものが、あなたにとってのご褒美かもしれません。
「ご褒美なんて思い浮かばない」「もう何があっても頑張りたくない!」そんなふうに感じるときには、その気持ちも否定せずに聞いてあげてださいね。
疲れてしまった心に寄り添って丁寧に気持ちを聞いてあげると、少しずつ望むものを教えてくれるようになりますよ。
どこまでもしつこく自分を承認する
周りからの評価や感謝がご褒美であるとき、それが感じられなくて気持ちが落ちるというのは自然なことです。
けれどもし、そんなときに「あなたは本当によくやってると思う!!誰が否定しようとあなたが頑張ってるの知ってるから!」そう言ってくれる人が1人でもいたら、気持ちが楽にならないでしょうか。
実は、あなたの頑張りをいちばんわかっているのはあなた自身です。
ですから、誰よりもあなたがきちんと自分のことを承認してあげることはとっても大切なんです。
誰が理解しなくても、あなたが一生懸命やっていることは事実です。
しんどい気持ちを抱えながら日々頑張っていることを、どうかちっぽけに扱わないでくださいね。
また、あなたの頑張りを周りの人が認めてくれないとき、周りの人も余裕がないのかもしれません。
たとえば、つらい仕事に耐える夫とんワンオペの家事育児で疲弊している妻、どちらも「自分を助けて欲しい!!」と感じていると、相手の頑張りを認めたり感謝し合うことは難しくなります。
職場の上司が認めてくれないとき、その上司自身もいっぱいいっぱいで助けて欲しくて、部下への要求が高くなりすぎているのかもしれません。
周りの評価がないこと=頑張りが足りない、なんてことはないんです。
自分で自分を認めても仕方ない…そんなふうに感じるときは、ぜひ信頼できる人の力も借りてみてくださいね。
自分を認めることは甘やかしではなく、楽しく頑張るために必要なエネルギーですから。
始めに感じていた感情に立ち返る
毎日、自分の意思とは関係なく頑張っている、なんとなくやらざるを得なくなってしまっている。
そのようなことが続くと、心が空っぽな状態で走り続けているような感覚になります。
これはまるでゴールの見えないマラソンみたいで、とってもしんどく感じます。
ですが、今は空っぽだと感じることも、始めはもっと違う気持ちがなかったでしょうか。
そのとき、どんなことが嬉しかったり、幸せややりがいを感じていたでしょうか。
始めのときに心にあった自分への期待や希望とか、誰かへの思いやりや優しさ、そういった心を喜ばせるものは、心が疲弊するほど見えなくなってしまいます。
そもそもどうしてこれをやってるんだっけ?どんな気持ちで始めたんだっけ?
前は何に喜びを感じて続けていたんだっけ?
そんなふうに、ニーズを満たしてくれた感情に繋がりなおすことで、また新たな気持ちで前を向けたり、ときには無理な頑張りを手放すきっかけにもなることがあります。
最後に~人は本当に望むことのためにしか頑張れない
人は、何かしらのニーズを満たしてくれることにしか、頑張り続けることはできません。
心がご褒美を感じられないことをし続けていると、自分の気持ちはどんどん麻痺して見えなくなってしまいます。
誰かのためだと感じることでも、その人の役に立ちたい、笑顔が見たい、そんなふうに自分自身の喜びにつながることでモチベーションになります。
(これは勝手なのではなくて、心の中にその人への愛があるから生まれる気持ちです)
ですから「頑張る意味がわからない」と迷子になってしまったときは、
「自分にとっての喜びは何?どんな生き方が幸せだと感じるんだろう?」
そんなふうに、普段は忙しくて押しやっている本当の心の声を聞いてあげる機会なのかもしれません。
もしよければ、あなたの頑張りの承認や、自分に寄り添うという過程にお付き合いさせてくださいね。
あなたが毎日を、自分らしく楽しく過ごせますように。
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