パートナーに本音が言えない…という心理

夫婦のための心理学

本来は心の距離がいちばん近いはずのパートナーなのに、気づいたら色々なことを遠慮して本音が言えなくなっている。
そんなことはないでしょうか。
パートナーに本音が言えない心理と、改善方法について解説します。

パートナーに本音が言えなくなるのはなぜ?

そもそもは他人同士だった2人が、何かのタイミングで「この人がいいな」とか「気が合うな」と感じると、お付き合いや結婚…と進んで心理的な距離の近い関係になります。
ですから、関係性の最初には「自然な自分でいられるな」という感覚を持つことは多いはず。
(めちゃめちゃ憧れの人とお付き合いした場合などは、始めから気を使っているもしれませんが…)

それなのに、気づいたらパートナーに本音が言えなくなっているのは、お付き合いや結婚生活の過程で、「この人にならなんでも話せる」という感覚が薄れてしまっているということなんですね。

ではどうして、そのようなことが起こるのでしょうか。

関係性の始めの頃、多くの人が「大好きな人と会えるだけで嬉しい!」という心理状態なので、多少の価値観のズレや違和感もカバーできてしまいます。

「相手の良いところ、合うところを見つけようとする」という心理がとても強いので、(ほぼ自動的に)違和感を感じても見て見ぬふり…ということが、あったりなかったり。

ですが、そんなロマンス期をすぎると気持ちが冷静になり、次第に自分と相手の違うところや価値観の違いなども感じるようになるんですね。
もちろんお互いに別の人間なので、それはとても自然なことです。

ですがこのとき、ズレや違和感に対して「パートナーとの関係を大事にしたい、相手を尊重したい」と思う人ほど「言いたいことを我慢する」という方法で解決しようとすることがあるんです。

自分と相手との意見が違う、でもそこを掘り下げるのは関係を悪くしそうで嫌だな…
そんなふうに思ったとき、つい「自分が意見を言わなければ平和に過ごせる」と考えてしまうんですね。
これは意識的な場合も、無意識的な場合もあります。

そして実際にこの対応でスムーズに関係が進むと、そのやり方が2人にとって良いことだという思いも生まれやすいのです。

そして関係性が続き、あるときに「パートナーに本音が言えなくてしんどいなあ…」と感じることはめずらしくありません。

パートナーに本音を言うと、どうなるのでしょうか?

本音が言えなくてしんどいと感じたとき、「じゃあ今日からは言いたいことを言おう!」と思える人もいるかもしれません。

けれど、そのしんどいを抱えたまま悶々とする人もけっこう多いのではないでしょうか。
実は私もかなりの頻度で、お付き合いした人との間にそのような感情を感じ、果てには「彼よりも男友達といる方が楽!」という状態にまでなっておりました…。

本音を言えない心の中には、どこかで「自分が言いたいことを言ったら相手の機嫌が悪くなるのでは…」という恐れがありませんか?
もしくは、自分の本音を受け止めてもらえないときの失望(自分の気持ちが冷める)が怖い…という場合もあるかもしれません。

言いたいことを全部話しても関係性は悪くならない、という確信があるなら遠慮をすることはないんですよね。

もちろん遠慮することや恐れが悪いということではありません。
それだけ、パートナーとの関係性を大切にしたい、相手を不快にさせたくないと思っているわけですから。

ですがちょっと考えてほしいのは、良い関係性のために、本当にこの遠慮が必要なのかな?といういうことなんです。
もし、あなたが遠慮や我慢をしなくても良い関係が築けるとしたら、どのように感じるでしょうか?

本音を言える関係を作るには

パートナーを信頼してみる

あなたがパートナーを大切にしたいと思っているように、相手もあなたのことを大切にしたいと思っているはずです。
あなたが遠慮をして、本音が言えない心の距離を感じていることを、相手はどう感じるのでしょうか。

相手を大切に思い傷つけたくないと思うあまりに、少しだけあなたの選んだパートナーを「難しい人」として扱ってはいないでしょうか。

これは私もやりがちなのですが、良い関係性を続けたいと思う気持ちが強いと、ときに防護線を張りすぎるというか、相手を必要以上に繊細に扱ってしまいがちです。
ですがこれって、パートナーを信頼しているか?と言われると、???なのですよね^^;

もちろん、何をどんな言葉で言ってもいい!というわけではありません。
けれどパートナーシップは「お互いにお互いのことを大切に思っている」ということに目を向けると、少し気持ちが変わらないでしょうか。

お試し言葉や不満ではなく、本当の本音を伝える

何か言いたいことを我慢しているときって、多かれ少なかれ私たちの心には不満が溜まってしまいます。
いざ本音を言おう!としたときに、その不満をぶつけてしまうということも起こりがちなのですが、それは、あなたの本当の本音ではないことが多いんです。

例えば「忙しい忙しいばかりで、ちっとも私の話を聞いてくれない!」という不満があるとき。
このまま伝えると、相手は責められているように感じてしまい関係性は悪くなりやすいです。

けれど、この場合の本音は「もっとゆっくりあなたと会話する時間が欲しい」なんですよね。

それから「どうせ〇〇でしょ…」などと言い、それを否定してもらうというお試し言葉のコミュニケーション(否定的肯定法といいます)も、相手の心が離れる原因になりやすいです。

関係性が長くなるほど「今更…」という照れや億劫さから、このような本音は伝えずらくなったりもします。
また、自分の本当の気持ちを伝えるときほど、もれなく「この気持ちを受け取ってもらえなかったらどうしよう」という怖さがセットになります。

実はこのような感情のハードルを越えて本音を伝えるというのは、かなり勇気のいることでもあるんですね。

本音を言えない期間が長ければ長いほど、このハードルは高く感じるかもしれません。
なかなか難しい…!というときには、ぜひお手伝いをさせてくださいね。

最後に

パートナーに気を使うのは、相手やその関係性を大切にしたいという純粋な気持ちからです。
だからこそ、その心遣いが遠慮になって心の距離に繋がることが、すごく切ないな…って思ってしまうんですよね。

関係性が長くなると、色々な感情がもつれたり絡んだりしてうまくいかないこともあるかと思います。
けれど相手との関係が始まったときって、お互いのすべてはわからなくても「この人となら心地よく居られそうだな」とう思いがあったはず。
そのときの良い感情なども、少し思い出してみてくださいね。

あなたが大切な人と、本来の自分で楽しくいられますように。

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