夫婦が危機のときほど大切な“たった1つのこと”

夫婦の心理学

夫婦関係の危機のさなかにいると「そこに愛があるから悩んでる。良い関係にしたいから悩んでる」
そのことをつい、忘れがちではないでしょうか。

たくさんの傷つきとか、相手への怒りとか、自分へのダメ出しとか、この先への恐れとか、感情も思考もぐちゃぐちゃになるかとは思うんですね。
けれど、しんどい気持ちにのまれそうなときほど、どうしてこんなに悩むのか?ということに立ち戻ってみませんか。

夫婦が危機のとき、見えなくなってしまうお互いの愛情

夫婦関係が良いときにあった愛情の循環が、何かしらのすれ違いで感じられなくなると、喧嘩が増える、会話が減る、浮気などの問題が起こったりします。

そしてそのようなとき、つらい気持ちからあなたやパートナーの中にある愛情を、ないもののように扱ってはいないでしょうか。

それがなぜ問題なのかというと、愛情が見えていない状態というのは他責や自責の意識が強くなりやすく、お互いに反発して問題をよけいにこじらせやすいのです。

今の状況では愛情を見るなんて難しいよーっていうお気持ちもわかります。
けれど良い方向に向かうためにもぜひ、「愛はある」という前提で問題に向き合っていただきたいなって思うのです。

夫婦の危機でなぜ、あるはずの愛が見えなくなってしまうのか

そもそも夫婦は愛があって結婚したはず。
それなのに、どうして愛が見えづらくなってしまうのでしょうか。

心の傷や痛みから、気持ちが閉じてしまう

夫婦問題で自分が“被害者”の立場になっ場合。
パートナーが無視をする、責めてくる、浮気をしたというようなケースです。

すごく悲しいし傷つくし怖いし、心がギュッと縮んでしまうこともあると思います。
もちろんこれは自然な感情なので否定せず受け止めてあげてくださいね。

けれど、ずーーっと心の傷だけを見つめているとパートナーが自分を傷つけた敵のように思えてしまうことも。
自分=被害者、相手=加害者というフィルターで相手を見たときにできることは限られます。
相手を責める、または自分を責める、心をシャットアウトする……。

そして、相手を加害者にみてるとき、無意識にそんな自分のことも責めているんですね。
表面的な加害者はパートナー、でもそのパートナーを責めている自分も加害者、心の中はそんな状況です。

このようなときに夫婦関係が良い方向に向かうには、自分の傷や痛みから少し意識を外に向けることが改善のカギになります。

自分のことをちっぽけに扱ってしまう

自覚がある場合もない場合も「自分が大切にされるはずがない」という思いが心の中にあると、日頃からパートナーの愛の言動を気づかずにスルーしがち…ということも多くあります。

無意識にでも相手の気持ちを受け取れていないと、それが何気ない態度や言葉から相手に伝わって「気持ちを拒否された」と悲しくさせてしまうことも。
このようなことの積み重ねで、関係性に溝ができてしまうこともあります。
パートナーとの関係について考えるときに、こんなことは起きていないかったでしょうか。

そして関係が悪くなったときに「大切にされない自分」という思いは強化されて、さらに自分をちっぽけで無力な存在と扱ってもしまいがちです。
こんな自分にできることは何もない、そのように感じて関係改善にエネルギーを使う気にはなれないかもしれません。

あなたの笑顔や感謝は、どれだけ相手を喜ばせる力を持っているか。
その影響力を小さくは扱わないでいただきたいなって思います。

自分の価値を相手しだいにしてしまう

“パートナーに大切にされない自分に価値はない”という気持ちがあるときも、相手の愛を見えづらくします。

自分の価値が相手しだいというのは、相手から認められなければ自分の存在の意味がなくなってしまうような、そんな不安な感覚です。
(もちろんこれは大きな誤解で、人の価値は相手の態度とは関係ない不変のものです)

このような不安が強いとき、意識は自分に向いて心が閉じてしまいがちです。
次から次へと不安がやってきて、そのたびに相手に解消してもらわないと落ち着けない……。
この心理状態で愛情を感じることは難しいのですね。

パートナーの好意にも文句を言ってしまう、ものすごいワガママや悪い態度をとってしまう。
そのような行動は、不安な気持ちから要求が強くなっていることもあります。

相手の愛に満足できないから自分も愛を返そうとは思えない。
そしてそんな自分をさらに無価値に感じる……という悪循環になったりもします。

正しさにこだわってしまう

正しさにこだわりすぎるときも、意識は愛から離れやすくなります。
自分の「こうあるべき」という行動をパートナーがしてくれないときに、愛がない!って認定してしまうのです。

たとえば、パートナーなんだから、同じ価値観を持つべき・自分を気遣う言葉を使うべき・連絡はマメにすべき・家事は分担すべき……。

自分が正しいと思うことを「自分に愛があるならできるでしょ」と相手に求めるとき、望む形の言動しか愛だと感じられない、それ以外の形の愛情表現をスルーしてしまうことがあります。

もちろん気遣いの言葉も家事の分担も、大切なことだとは思います。
けれどそれができなくても、「愛がない」というわけではないんですよね。

自分の望む形の愛ではない=愛が足りない。
そのように相手の愛情をないものにして自分の愛も止めてしまうというすれ違いは、何だか切ないな…とも感じます。

夫婦が危機のときほど、愛はある前提で捉えなおしてみる

“愛はある”と考える方がうまくいく

人それぞれ色々な事情があってお互いの愛が見えづらくなることってあると思います。
私自身も散々見失って迷子になって、もがいた時期がありました。
ですからどうか、自分が悪い…不足している…とは捉えないでくださいね。

実は心の分野では、夫婦問題にどちらが悪いという捉え方はありません。
何かの原因があって結果につながった、その原因や今の心の中を見つめてこれからどう進むか……ということが大切になります。

どのような夫婦問題でも、“自分にもパートナーに愛はない・なかった”という前提は、状況を悪くしやすいのです。

愛情が見えなければ相手を責めたくなるし、自分の正しさを主張したくなるし、相手を理解する意欲もわかないし、そんな自分も嫌になって、何ならもうすべて終わらせたくなってしまったり……。

けれど“自分にも相手にも愛はあるんだけどこじれている”と思えると、少し気持ちが変わりませんか?

どのように捉えるかによって言葉や行動が変わり、結果も変わることがあるのです。
そう考えると、愛がある前提で考えることに価値があるようには思えないでしょうか。

夫婦問題のカウンセリングでは、お互いの愛がどうこじれしまったのか・問題をどのように捉えると良い方向へ向かいやすいのか、それを見つけるお手伝いもさせていただいております。

愛を否定することはお互いに不幸

とはいえ、自分が愛されてるって期待して違ったら…心のダメージが大きすぎる…。
そんな怖さもあるかもしれません。
相手の愛を信じるというのは、めちゃめちゃ怖くてハードルの高いことでもあります。

けれどそんなとき、ちょっと自分に置き換えてみてほしいのですね。

もしあなたの愛を相手がまったく見てくれなかったとしたら。
好きだからこんなに悩んで傷ついているということを、まったく理解してもらえなかったら。
どうせ嫌いなんでしょ?ほんとは離れたいんでしょ?そんなふうに思われたら。

すごく切ない気持ちにならないでしょうか。
お互いが、そう誤解してすれ違ってしまうのは本当にもったいないことではないでしょうか。

もちろん、うまくいく場合ばかりではないかもしれません。
ですが相手の愛を否定することでうまくいくことは、もっと少ないのと思うのです。

夫婦の危機でしんどいときほど「それでも愛があるから悩んでる」ということを、ぜひ思い出していただきたいなって願っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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