夫が見下してくるときの心理的な対処法を解説します

夫婦のための心理学

夫が見下してくるってお悩みの方、どのくらいいらっしゃいますでしょうか。


本当はいちばんの味方であってほしい夫なのに…
悲しかったり腹が立ったり、どうしてこんな人と結婚したのだろう…?とも思ってしまうかもしれません。

見下してくる夫の心理と見下されない妻になるための方法を解説します。

妻を見下す夫の心理

自己価値と自尊感情

妻を見下す夫の心の中にある感情は「自分への自信のなさ、余裕のなさ」です。

もしかしたら「イヤイヤ、うちの夫は自信満々だけど!」という方もいらっしゃるかもしれません。
けれど本当に、心の根っこに、自分への自信や余裕がある人は、他の人を見下す必要がないんです。

「自己価値」という概念があります。
自分のことを価値ある存在だと思えているとき、自己価値が高い状態です。

また、人には誰でも「自尊感情」というものがあります。
自尊感情は誰かの役に立っている、誰かの喜びになれていると思えることで育ち、満たされます。

多くの人は自己価値が高く自尊感情が満たされているとき、その満たされた気持ちは周りの人への理解や優しさにつながるのです。

人を見下すのは満たされない感情から

逆に、自己価値が低く、自尊感情が満たされていない場合。
自分のことを自分では肯定できません。

このように自分のことをダメだと思っている状態って、実はめちゃくちゃしんどいんですね。
だから、その感情を隠すために、誰かと比べることで自分の優位性を保とうとしてしまうんです。

また「自分だけが頑張っている」と思い、心に余裕のない状態の場合。
周りの人が自分を助けてくれないことにイライラして、常に人を馬鹿にしたような見下す態度につながることもあります。

これは「依存」の1つの形です。
自分を助けてくれない(思うようにしてくれない)他者に対して上手にヘルプが出せず、怒りとして噴出するのです。

もちろんこれは見下す側の心の仕組みの解説で、だから仕方ないということではありません。
自分の劣等感や満たされない思いから、他者を心理的に落とすことは、許されないことです。

まず大切なのは、あなた自身の心のケア

すぐに夫を変えることは難しい…

とはいえ、妻を見下す夫をすぐに変えるということは、かなり難しいことです。
自分の劣等感や自信のなさを認めるのはとても勇気のいるので、夫自身が「変わりたい!」と思わないとなかなか向き合えないんですね。
(だから妻を見下すことで見ないようにしているわけです…)

特にモラハラのようなひどい状態のときは、何かしらの専門的な対処が必要な場合もあります。
また暴力や脅しなど、妻が心身に危機的なダメージを受ける可能性がある場合は、まず物理的に距離を置くことが必要かもしれません。

見下す、という表現の中にも様々な状況があるので一概にはいえないのですが、今回はそのような危機的な状況ではないという前提でのお話です。

妻の心のケアが必要な理由

そもそも、人生のパートナーとして選んだ夫に対して、このような嫌な気持ちを感じ続けるのは相当にしんどいことだと思うんですね。

幸せになるために結婚したし、本当ならいちばんの味方で、もっともっと笑顔や喜びがあるはずなのに…
そんな思いもあるのではないでしょうか。

見下す夫を何とかしたい!というのは、多くの人が望むことかと思います。
けれど実は、夫への対策以上に大切なのは、まずは妻であるあなたがこれ以上傷付かないための心のケアです。

日々、顔を合わせる相手との会話で常に心が傷ついているとしたら。
体と同じように、応急処置と傷を増やさない対策が、心にも必要なんです。

ちなみに、傷つかないけど腹が立つ!という場合。
実は心理学では、怒りは悲しみや寂しさなどの「心の痛み」に蓋をするための感情だともいわれているんです。
(痛みの感情を一次感情、それを隠す怒りを二次感情といいます)

ぜひ、どうしてこんなに腹が立つのだろう…?ということを心に聞いてみてあげていただきたいんですね。
夫に見下されることに対してどこかで、悲しさややるせなさを感じる…ということはないでしょうか。

腹の立つお気持ちは本当に真っ当なのですが…怒りの感情を持っているときに、ものごとを良い方向に進めることは難しくなってしまうのです。
怒りがどうに収まらない…というときは、まずはそこに対するケアが必要かもしれません。

妻が自己価値を取り戻すと心が楽になる

夫婦って心の距離がとても近い存在なので、その相手からの言葉は他人に言われるよりも、大きなダメージになったりもします。
そして、毎日顔を合わせる相手に見下されると、まるでそれが自分の価値のように感じてしまう場合も。

人の心には「慣れ」が存在します。
身近な人から尊重されないと、その扱いを自然に感じてしまう…ということも起きるのです。
(モラハラやDVから逃れようとしない人の心理にも、この心の慣れが関係していることは多いです)

もちろん「自己価値」は自分への認識なので、実際に価値が下がるということではありません。

ですから「見下す夫問題」でいちばん大切なことは、まず妻であるあなたの自己価値の軸を作ること。

私はどんなときも見下されて良い人間ではない。
「見下す夫」が心に問題を抱えているのであって、私が悪いわけではない。

そんな、毅然とした軸を心に持てるようになると、今まで感じていた夫への感情が変わってきます。
夫は変わらなくても、正しい自己価値を取り戻すことで、あなたの気持ちが楽になれるんです。

妻を見下す夫に対して何を望むか

見下す夫への対策① 離れるという選択

夫にも何かしらの原因があって、夫の今の状態があります。
ですが、その状況に対してどうしたいかということは、あなた自身が決められることです。

あなたは決して見下されて良い人間ではないし、そのような扱いを受け入れる必要もありません。

ひどい態度をとる夫に対して
「あなたとはもう一緒には居られません」と伝えて離れることは一つの選択です。
※「そう告げることで夫の変化を期待する」ということは逆に辛い状況になるかもしれず、おすすめできません。

切ない話ですが、負の感情の蓄積で愛情を持てなくなることはあります。
その場合に離れるという選択をすることが悪いとは、私は決して思いません。

ただ、長年の関わりでもう愛情を持てない…でも離れることを考えると不安が大きすぎる…。
そのように感じることもあるかもしれません。

迷いがあるときは決断よりも、あなたの本当の願いを大切にしてあげてほしいなって思います。
1人では答えが出ない…というときには、カウンセリングもご検討くださいね。

*

けれど、離れるという選択肢を望まない場合。
「夫を変えてみる」という選択を選ぶ場合には、あなたから夫に対してできることがあります。

見下す夫への対策② 毅然とあなたの意思を伝える

夫に完全に愛想を尽かしたわけではないけれど、もう夫に色々頑張るのも疲れている…という場合。

「私はあなたと会話をするのが、もう辛いんです」
「私は私を見下したような扱いには耐えられません」
正直な気持ちを伝えて、夫に訴えることもひとつです。

妻を見下す夫は、妻の傷つきに気づいていない、自分の話し方が人を傷つけることにそもそも気づいていない、ということもあります。

もし夫側が長年、あなたの優しさに甘えて見下す態度を取っているようならば、1つのショック療法になる可能性があります。

ただし、この方法は夫側の心理状態によっては、関係が悪化するリスクもあります。
本当に関係修復を望む場合には、あまりおすすめの方法ではありません。


また、この場合は主語を「私」にすることが大切です。
相手を責める怒りの言葉ではなく、「私が辛い」というあなたの本当の気持ちを伝えてみてくださいね。

ちなみに、「夫に強く出て見下し返す」という応戦は、夫と同じ土俵に乗ってしまうことです。
そこから新たな夫婦の争いが始まり、幸せが遠ざかってしまいます。

見下す夫への対策③ 夫の満たされない感情を理解する

あなたご自身の心のケアをしたうえで、もし「夫ともっと楽しく過ごしたい」と望むなら、夫を理解してみるというチャレンジをおすすめします。

夫が何に劣等感を感じているのか、どんなことに追い詰められているのか、どれだけの心の痛みを感じてそれを誤魔化そうと苦しんでいるのか。

悪い態度はそのような痛みだと腑に落ちると、「見下された」という被害者のような気持ちや「夫を見返してやろう」という競争の意識が薄れます。

横柄なモラハラ夫には優しくなんてできないけど、もし夫が何かに苦しんで助けを求めているとしたら…。

そんなふうに妻の夫を見る目が変わり、妻の態度や言葉が変わって夫も変化する…ということも、本当に多いんです。

多くの女性が持つ才能として「受容力」というものがあります。
この才能は、心が傷付いて自己価値が低いときにはなかなか感じられないのですが、自分自身を大切に扱うことで開きやすくなるんですね。

もちろんこれは、あなたが何かを我慢して優しくするわけではありません。
あなた自身も望んで、夫に優しい目を向けられるという状態です。

もし本当に夫との関係修復を望む場合は、③の方法をおすすめしたいと思っています。

そしてこの方法は、あなた自身が「見下されて傷つく妻」の立場から抜ける方法でもあります。
もし夫が変われなくても、自分の価値を見失わない強さを持てるあなたになるということです。

最後に

夫に見下されるって本当に嫌だし辛いし、こんなはずじゃなかったのに…と、絶望的な気持ちになることもあるかと思います。

けれど夫婦問題を超える鍵は、実は女性が握っていることも多いんです。
(これは私自身も夫との関係で、本当に実感しています…)

男性は感情を感じたり表現することが苦手、と言われています。
とくに弱い感情が苦手なので、心の痛みを怒りで表現することで相手を傷つけてしまうことも。
そんなとき、女性の豊かな愛情や受容力に助けられることも多いんですね。

もちろん、あなたが我慢したり犠牲になる必要はまったくありません。
ただ、あなたが心の痛みを手放した良い状態で、あなた自身をいちばん幸せにする選択ができることを願ってやみません。

今、傷ついているあなたのお役に立ちましたら幸いです。

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