※こちらは、カウンセリングサービスのアメーバーブログ『恋と仕事の心理学』に執筆した記事の転載になります。
大切な人にはいつも「大好き!」って思えたら幸せですが、一緒に過ごす期間が長くなれば、そう思えないこともありますよね。
ときには相手に凄まじい怒りを感じたり、投げ出したくなるくらい傷付いてしまったり。
パートナーに何かしら負の感情が生まれたとき、もう一度「大好き」に戻る感情のプロセスは、多くの問題で同じ流れをたどります。
表面に出てくる感情をひとつづつ受け止めて、いちばん奥にある愛に繋がるんです。
大切な人への気持ちが「大好き」から離れてしまったときに、ぜひ参考にしてみてくださいね。
始めに感じる感情 怒り
パートナーの言葉や態度に納得がいかないときや、思うようにならないとき。
ほとんどの人が、まず感じるのは「怒り」ではないでしょうか。
私たちの心理学では、怒りは感情のフタで、その下にある悲しみや心の傷などを隠してるといわれます。
とはいえ怒ってる真っ最中には、そんなこと感じられないですよね…^^;
イライラの中にいるときって、まぁ冷静になれません。
怒りを相手にぶつけて、お互いにどんどんヒートアップしてしまう、ということも。
怒りって感じ続けるとすごーく疲れるし、そもそも不快な感情です。
それでもなぜ怒りを持ち続けるのかというと。
実は、その下にある感情を見たくないからなんですね。
怒りから、ストレートに愛に繋がれば楽なんですが、その間に嫌〜なプロセスを通ることが多いです。
だから怒りから離れるには、ときには意欲も必要かもしれません。
怒りの下にある感情① 弱さやコンプレックス
瞬発的な怒りから、少し気持ちが落ち着いたら。
「私はまだ怒っていたい? なんでこんなに腹が立つの?」って聞いてみてあげるとよいかもしれません。
けれど、そう自分に聞いて答えを見つけようとするとき。
結構な確率で、すごーーく嫌な気分になります。
これ、怒りの下にある「見たくない感情」に触れるときの感覚なんです。
たとえば、寂しさ、悲しみ、惨めさ、劣等感、負い目、後悔…
どれもほんとに嫌な感情で、こんなものはできれば見たくないです。
自立的な人が寂しさとか悲しみとか、弱く柔らかい感情を認めるとき。
相手よりも弱く、依存側に回るような気がしてめちゃくちゃ怖いです。
怒りの下に自分のコンプレックスがある場合。
ダメな自分や惨めな自分に出会うことになるので、これまたホント身悶えます。
パートナーに対して普段から自立的に接している人ほど、自分の弱さやコンプレックスを受け入れるのは、しんどい作業なんですね。
この感情を見るなら怒りの方がマシ!
そんなふうに感じて、また怒りに引き返したくなったりもします。
怒りの下にある感情② 罪悪感
相手に怒っているときって、必死で「自分は正しい!」と主張しているときでもあります。
私は正しい!お前が間違ってるんだ!って自分を正当化する理屈で武装してるんです。
けれども怒りがひと段落すると、こんな感情が顔を出します。
「本当にぜんぶ自分が正しいなんていえるのかな…?」
「それにしても責めすぎたかもしれない…」
「自分の思い込みは実はすごく身勝手だったかも…」
これは罪悪感からの思いなのですが、やっぱり簡単には受け入れられません。
誰しも「自分が悪い」とは思いたくないので、相手を悪者にする理屈を探します。
心の中で葛藤して、怒りと罪悪感の間を長らくグルグルし続けると…。
現実での2人の関係性はどんどん拗れてゆくことが多いです。
(私は年単位でここを行き来して、見事に現実を拗らせました)
さっさと罪悪感は受け入れて「ごめんね」って言えればいいのだけど、感情ってなかなか難しいですよね^^;
さらに相手を責めている心の奥底には必ず「相手を加害者にしている罪悪感」「わかってあげられない罪悪感」があります。
これは、怒りではなく傷ついていると感じているときも同様です。
人の本質って、どうしても愛を選びたいようで、相手を責めている時にはもれなく罪悪感がセットになってしまうんですね。
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だから怒りの下にある感情に繋がることは、言葉でいうほど簡単ではないのですよね…。
「受け入れる」ということは、心の成熟さが必要です。
ですがこの作業を1度学習すると、心ってひと回りもふた周りも成長できるようです。
次に同じようなことがあっても、まるで新しい道が開通したように、愛に戻りやすくなると感じます。
弱さや罪悪感の下にある感情 愛とロマンス
ときには身がぎゅーーっとなるような怖さを感じつつ。
ときには悶えるほどのバツの悪さを感じながら。
それでも怒りの下の弱さや罪悪感を認めて受け入れると。
いっときは自分を責めたくなってしまうかもしれません。
猛烈な後悔や恥ずかしさやに襲われるかもしれません。
私自身、自分は正しい!って思い込んで夫にキレ散らかしたとき、怒りの下にある感情を開けたら自分の行いが走馬灯のように浮かんできて、穴に入りたくなった経験があります。
「あ〜~、もう無かったことにしたい。旦那、記憶飛ばして全部忘れてくれないかな……」って。
このフェーズではそれまでの反動なのか、やたらに自分を責めがちです。
(実際は、パートナーシップは鏡でお互い様。どちらかが100ゼロで悪い、なんてことはないんですけどね)
ですが、この自分に対する否定の気持ちを超えると。
やっと、やっと、パートナーに対する感謝や愛を感じられるようになります。
相手が自分に向けてくれてた愛とか思いやりに、ようやく気づけるんですね。
怒りや自己否定や罪悪感があるとき、人って本当に相手の気持ちに気づけません。
ある意味、自分の怒りを正当化するため、敢えて見ないようにしてるともいえます。
本当は、シンプルに気づいて受け取ればいいだけ…なんですけど。
あんなことを言ったけど受け入れられていた
ひどい態度をとっていたけど、愛されていた
あんなに責めてしまったのに、相手は投げ出さなかった
そんな気持ちに繋がれたとき。
心は本当にあったかくなって、自分の中にある大切な人への愛に戻ることができます。
ありがとう、ありがとう、よかった、大好き。
ここで起こるのが再ロマンスです。
愛のような感謝のような、じんわりとした喜びが湧いてきます。
愛さなければ、感謝しなければ、という義務感ではなく言葉通り「湧いてくる」という感覚。
プロセスを1周回って感じられるロマンスは、長い時間を過ごす相手だからこそ感じられる醍醐味だと、個人的には感じるんですね。
再ロマンスがもたらすもの
決して喧嘩を勧めているわけではないのですが。
パートナーには、良い顔をしない自分でも受け入れられる、愛される。
自分には、こんなひどい面を見せても離れない人がいる。
この思いをパートナーとの間で何度か経験することは、関係性への信頼に繋がります。
もともと人の顔色を気にしやすかったり、自分が受け入れられる感覚が薄い人ならなおさら。
「この人はどんな私でも愛してくれる」
「私はどんな状態でもこの人に愛される」
そんな、相手と自分両方への信頼がじわじわと育ってゆくことで、2人の関係性はとても安定したものになるんですね。
些細なことで相手の気持ちを、相手にとっての自分の価値を、疑わなくてもよくなります。
「今の言葉は腹がたつ!傷ついた!」と思ったときには、必ず「相手に責められる私」を感じています。
ですがこの信頼がベースにあると、一瞬はイラッとしたり傷ついても気持ちを切り替えやすくなります。
今のはイラッとした!…けど、この人は余裕がないのかもしれない。
この言い方はないわー!…もしかしたらこの人、何かいじけてるのかもしれない。
そんなふうに自分の心の傷や罪悪感と繋げない捉え方がしやすくなります。
最後に。
もしも今、あなたがパートナーに対してイライラを通り越して諦めを感じている場合。
そんなときには「また大好きに戻りたい…?」と、心にある本当の願いを聞いてあげることがスタートになるかもしれません。
(関係を良くしたい!と思えない相手のためには、なかなか頑張れないですからね)
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感情の層を下りて怒りからロマンスに繋がるプロセスや、本当のあなたの願いを見つける作業。
1人で難しいときには、ぜひカウンセリングもご検討くださいね。
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