パートナーとの「不毛な喧嘩」を避けるには

夫婦のための心理学

※こちらは、カウンセリングサービスのアメーバーブログ『恋と仕事の心理学』に執筆した記事の転載になります。

パートナーと喧嘩になったとき。
後から考えて、なんであんな喧嘩をしちゃったんだろう…?

そう感じることはないでしょうか。
今回はそんな「不毛な喧嘩」をしてしまう心理の解説と、それを避ける方法についてです。

なぜ、不毛な喧嘩がおこるのか?

本当の感情が伝わらないと、不毛な時間になりやすい

お互いの本音をぶつけることで分かり合えて、パートナーとの関係性が深まるならば、喧嘩はひとつのコミュニケーションかもしれません。

けれど不毛な喧嘩になってしまうとき、「どちらか、または両方が相手に本当に伝えたい感情を理解できていない」ということが多いのです。

「自分の気持ちはわかっているし、本音を出すから喧嘩になるんでしょ」
そう思われるかもしれませんが、ときには自分自身でも本当の感情を誤解してしまうこともあります。

喧嘩をすることで伝えたい本当の感情は何?

パートナーと喧嘩になってしまうとき、色々な不満や怒りはあれど、本当の本当に伝えたい感情を突き詰めると、実はものすごくシンプルなことではないでしょうか。

もっと私を理解してほしい。
こんなに悲しい、寂しいということをわかってほしい。
もっと優しくしてほしい、わかりやすい愛情がほしい。

相手が大切な人であるほど、最後はこのような感情に集約されることがとても多いのです。

けれどこういう自分の弱さに繋がる感情は、多くの人が大人になると口には出しずらくなってしまうため、パートナーにも我慢して抑えがちです。

そうして抑えているうちに、「わかってもらえない、助けてくれない」という相手への怒りや不満に形を変えてしまいやすいのです。

怒りはとても強い感情なので、パートナーに怒っているとき、怒り以外の感情は自分では掴みにくくなります。
ですからその下にある寂しさとか悲しさは、ないもののように感じてしまいやすいのです。

この状態でパートナーに対峙しても、相手が悪いと責めるための理屈ばかりが出てきてしまうことも多い、心の奥では「もっとわかりやすく愛してほしい」って感じているのに、口から出る言葉は「あなたのこういうとこがダメなんじゃない!」だった…なんていうことも。

そして相手も言われた言葉に反応するので、たいてい喧嘩になります。

このような場合、喧嘩はしても本当の気持ちは伝えられていないので、分かり合えたという感覚は得られず、結果として「不毛な争いをしてしまった…」というモヤモヤや後悔が残りやすくなってしまうんですね。

パートナーと喧嘩をする意味

誰もが持っているパートナーへの「ニーズ」

そもそも大切な人とは、できれば仲良く過ごせた方が良い気分でいられます。
それにも関わらず喧嘩になってしまうのは、お互いに「わかって欲しいこと、こうして欲しいと望むこと」が伝わっていないと感じるからです。

自分以外の人に対して何かを望むことを「ニーズ(欲求)を持つ」といいます。
もちろんこれは悪いことではなく、心の距離の近い人には他の他人よりも強いニーズを持つことも多いかと思うのですね。

ただパートナーといえど別の人間なので、価値観の違いもあります。
だから「お互いに自分を開示して相手を理解する」というコミュニケーションが必要になるわけですが、これがいつもスムーズにできるとは限らないんですね。

ニーズを出せるのは信頼があるから

パートナーには、つい「このくらいわかってよ」「このくらい感情をぶつけても大丈夫だろう」というニーズや油断から、他の人になら言わないような言葉や態度を見せてしまいがちです。
そして、お互いの言動にお互いの感情が反応してぶつかり合いになることで喧嘩がおきます。

喧嘩はしないに越したことはないけれど、喧嘩ができるのは「この人は自分を受け入れてくれる」という信頼や安心があるから、ともいえます。
「相手の感情を害したら関係が終わってしまう」という恐れがあるとき、喧嘩をすることはできません。

身近な人との喧嘩は、心の距離が近い関係にだけ成立するコミュニケーションでもあります。
そして、喧嘩→仲直りという流れのなかで「感情を出してしまった自分でも、この人は許してくれた」と感じられることで、絆になることもあるのです。

不毛な喧嘩を避けるためには

自分の本当の気持ちを探してみる

本当に伝えたいことを言えなくて「不毛な喧嘩」になるとしたら。
それを避けるには本当の気持ちを言えばいい…ということになるわけですが、これがまた難しいのですよね^^;

大切な人に伝えたい本音が掴めないということ、けっこう多いのではないでしょうか。
大人になればなるほど、頭で色々なことを考えてしまうし、正しさを重要視しすぎたり、つい、パートナーと競争してしまうこともあります。

そういうときに、悲しいとか寂しいとか不安とか、自分の弱くて柔らかい感情ってなかなか感じられないし、伝えられません。

そんなときにおすすめの方法は、自分へのこんな質問です。

もし、怒りの下に何か別の感情があるとしたら、それはどんな感情?
この質問を丁寧に、あなたの心に聞いてみてあげてほしいんです。

喧嘩になるのは「わかってほしいこと」があるから

冷静に考えると、大切なパートナーに「心から伝えたいこと」が攻撃の言葉ということは、あまりないと思うのですね。

攻撃をしたいのではなくて何を伝えたいのかな?
怒りに変わるほど私は何を我慢していたのかな?
そんなふうに聞いてみてあげてくださいね。

私自身も、夫には理屈や正しさを並べて怒りの武装してしまいやすい人間です(夫ごめん……)。
だからこそ、怒りの下の気持ちに気づくって難しい、本当にそう思います。
もし1人でお手上げになりそうなときは、一緒に探させてくださいね。

相手に何かを望む、伝えたいことがあるというのは、その人に対して何かしらの期待があるから。
素直な本音を伝えることを選んでいけたら、きっと喧嘩からも得るものはあるのだと思います。
(もちろんいつも仲良く過ごせたら、それがいちばんなのですが)

あなたが大切な人と、実りある時間を楽しく過ごせますように。

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