※この記事は「親密なパートナーシップ全般」に関する内容ですが、簡潔に表現するために「夫婦」「夫・妻」という表現を用いております。何卒、ご了承くださいませ。
私の趣味の一つに「夫婦観察」があります。
よそのご夫婦を観察して「この旦那さんは奥さんのこんなところが大好きなんだろうな」とか「マイペースな旦那さんと気遣いの奥さんでいいバランスだな~」などと想像して、ほっこりさせていただくのです。
我が家には小学生の息子が2人いて、よく子どものお友達とそのご両親も含めて大人数で遊びます。
そういう機会に色々な夫婦を見ていると、仲良く楽しそうな夫婦には、何となく上手くいく形やパターンがあると感じます。
例えば、「行動力全開の夫と手綱を締める慎重派の妻」、「感情豊かな妻とそれをドーンと受け止める夫」「マイペースな夫を呆れながらも楽しむ妻」などなど…。
決まった正解はないのですが、それぞれの夫婦がお互いに心地良いと感じる形だと、自然に楽しく過ごせるように思います。
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そんな風に、今ではよそのご夫婦を見て楽しんでいる私ですが、自分と夫との上手くいく形はなかなか見つけられず(そんなものがあるなんて考えもせず)に苦しんだ時期がありました。
うちの夫は、一見明るくポジティブ、でも実は慎重派&心配性で、結構デリケート。
対して私は、一見穏やかなしっかり者、でも内面では人目を超気にする内弁慶。
始めの頃、私は夫を「明るくて前向きで頼れる人」とだけ見ていました。
(夫が私をどう見ていたのかは定かではないですが、おそらくこんな面倒な人間だとは知らなかったと思います…。)
新婚の頃はまだ、お互いが「こうありたい自分」を出して過ごせていました。
ですが。夫婦という親密な関係の中では、やはり良い顔だけを続けることはできません。
長く一緒に居ると価値観や意見の違いも見つかり、そのような時に少しづつ相手に対する「期待外れ」が起こります。
「こんなに面倒くさいやヤツだったのか!」
「こんなに機嫌が変わりやすいのか!」
「こんなに頑固で短気だったのか!」
それまで気づかなかった相手の嫌なところが、バラバラと見えてくるわけです。
そしてさらに、私たちに共通していたこと。それは「罪悪感の強さ」でした。
罪悪感とは自分を良くないものだと思う気持ちで、これが強いと「責められている」と感じやすいのです。
だから私たちは何かがすれ違った時、相手の言葉をお互いに「責められている!」と感じ、自分を防衛しようとする気持ちが転じて、攻撃的な態度になりやすいという問題がありました。
当然、そのようなコミュニケーションは状況を悪させ、すれ違いが拗れすぎて離婚の危機になったことも。
私たちの場合、関係を良いものに変えるには、どちらかが先に罪悪感の沼から出ることが必要でした。
(我が家の場合は先に変わるのは、もちろん心理学を学んでいる私…ですね)
私が罪悪感から抜けて、「責められている」という被害者目線からの見方をやめ「目の前の夫はどんな気持ちなんだろう?」と考える余裕ができてくると、まず私の態度が変わります。
そうすると、それに影響を受けて自然に夫の態度も変化して、ギスギスしていた関係性が緩み始めたのです。
私は自分に自信がないため、何かある度に「こんな私なんて、もうどうでもいいんでしょ。どうせ面倒でしょ」と心の中でいじけて、噛みついてみる・挑発してみるという実に厄介な行動をして状況を拗らせていました^^;
そして、普段から何かと私を優先してくれる夫にとっては、1つの言動だけを見て、自分の愛情を疑われたり無いように扱われることが、本当〜〜に!!!嫌なことだったのです。(つまり、夫の思いやりある行動にも気づけないほど、私は罪悪感いっぱいで自分しか見えてないことが多かったのです…恥)
ですから私たちの処方箋としては、何があっても私が夫の愛を疑わずに「でもあなた、私のこと好きだもんね^^」という軸を保つことで(罪悪感が強いとこの軸がブレます…)、私自身の気持ちが安定し、それが夫にも影響して彼も穏やかで優しく居られて、結果として2人で楽しく過ごせる時間が増えました。
結婚11年目の今でも、不穏な空気が漂う時は、たいてい私が夫の愛を無いもののように扱っている時。始めの10年でこの法則(?)に気づけたのは、とても大きな収穫だっと思います。
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心理療法の一つに「家族療法」というものがあり、その中では、家族を1つのまとまりとして捉えます。
ですから例えば、子どもの不登校や問題行動などを「子どもの問題」としてではなく「家族の問題」と捉えて家族の関係性にアプローチしてゆくのです。(その中で、夫婦関係に焦点が当たることもあります。)
パートナーシップの問題を考える時にも、この考え方は当てはまるのではないでしょうか。
「夫婦は合わせ鏡」という言葉があります。夫婦のように近い関係の2人は、お互いがお互いのリアクションを見て反応し合っているわけです。
ですから関係性の悪い時も、どちらか一方だけに100%の原因や理由があるということはありません。これは決して「あなたも悪いですよ」ということではなく「どちらも悪くなくて、ただ何か原因があって結果が起こっている」ということです。
人間関係は言葉の通りお互いの「関わり」のことで、その中でもとりわけ近い関わりが「夫婦関係」。
お互いの心が相手の影響を受けやすい状態なので、問題が起こった時には「相手の問題」ではなく「私たちの問題」として捉え、「私たちの幸せな形」を着地点に据えないと、改善には向かいにくいと感じます。
(※この内容はあくまで「関係性の改善」に対する、心の分野の1つの考え方です。不倫やDVなどへの社会的な善悪のジャッジを否定する意図はありませんし、現実的な対応が必要なケースもあります。)
長い付き合いになるほど相手の様々な面が見えますし、信頼から甘えが出やすくなり、どこかで期待外れが起こることもあります。
その時に、それを相手との溝にするのか、相手をより理解する糧にするのか、その繰り返しが数年・数十年後の二人の関係に繋がってゆくのだと感じます。
もし、この「上手くいく形」が見つからずに悩んでる方がいらっしゃったら。
一緒にそれを見つけるお手伝いができましたら、とても嬉しいです。