離婚?夫婦関係の修復? 迷いの苦しさを抜ける処方箋

夫婦の心理学

離婚?夫婦関係の修復?「迷う」という苦しさ

離婚か、それとも夫婦関係の修復か。
どちらを目指すかの「迷いの渦中にいる時」ってとっても苦しいのではないでしょうか。

離婚に向けて心の整理をつける、夫婦関係の修復を目指すという場合ももちろん楽ではないのです。
が、目的に向かい進んでいるという感覚があり、それがエネルギーになったりもするのですね。

一方、迷っている時というのは、パートナーと気持ちが離れた状況で日々を過ごす辛さに加え、「自分の気持ちが定まらない、どこへ向かえば楽になるのかもわからない」という絶望感がセットだったりします。

この状態、二重のしんどさとも言えるのではないでしょうか。

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私自身も体験した、迷いの苦しさ

私自身も夫婦問題で、この「離婚か関係修復か」という迷いの渦中にいた時期がありました。

その時の心の中はまるで、どんより暗くて息も満足にできない迷路にいるような気持ち、なんの目印も光も見えずにぐるぐるぐるぐる必死に歩き回っている… そんな胃が痛くなるような鬱々とした毎日でした。

朝起きると苦しい状態が通常モード、安らげるはずの家で息が詰まる、そして自分の気持ちすらもわからない…。そんな状態で思考は、離婚と関係修復の間を行き来していました。

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「離婚?夫婦関係の修復?」迷うことが苦しい理由

なぜ、「離婚か、夫婦関係の修復か」という迷いはこんなにも苦しいのでしょうか。

◯◯か△△か、と複数の選択肢に気持ちが揺れて迷う状態を、心理学では「葛藤」といいます。(「葛藤する」という表現で一般的にも使われことがありますね)

離婚と関係修復で迷う時、まず「この苦しさから逃れたい!」という欲求があります。
そしてその欲求を叶える手段として、離婚(=手放し)、もしくは、夫婦関係の修復(=愛しなおす)という真逆のふたつの選択肢を考えるわけです。

しかしどちらの選択にも、確実に辛い気持ちから逃れられる保証はないのですよね…。

離婚を選んだ場合、パートナーと離れることで辛い気持ちを感じなくなるかもしれませんが、「これで良いのか?」という思いや、人によっては今後の生活の不安などもあるかもしれません。

関係の修復を選んだ場合も、幸せな関係性に戻れる可能性はある一方、さらに傷付いたり嫌な感情を感じることになるかもしれません。

このようにそれぞれにメリットとデメリットがあり、なかなか決断ができずに動けない状態が、大きな緊張やストレスを引き起こし「辛い、苦しい」と感じるのです。

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また、夫婦関係がうまくいっている時には、私たちはパートナーを迷いなく愛せています。
お互いに愛が循環していることが、私たちの心を満たして幸せな気分にさせてくれるんですね。

ですが関係性が悪くなった時、目の前のパートナーを「大好き!」とは思いにくいのではないでしょうか。
大切な人と心がすれ違ってしまっている時には、悲しさや寂しさなど不快な感情が邪魔をして、まっすぐな愛を止めざるを得なくなってしまうことが多いのです。

好きだけど……悲しい、寂しい、イライラする、虚しい。
そんな気持ちが続くことで、だんだんパートナーに感じる感情は、愛からかけ離れたものになってしまいます。

ですが、私たちは何かと愛したい生き物のようで(人でも趣味でも、何かを好きだと感じている時に、人はご機嫌になれるかと思います)「愛せない」という状態はとても苦しいのですね。

離婚か関係の修復かで迷っている時、葛藤の苦しさに加えて、心の奥にはこの「愛せない苦しみ」が横たわっていることも、辛く苦しい気持ちを作り出す原因なのかと感じます。

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迷う苦しさから抜けるために必要なこと

多くの人は、離婚か関係の修復かの迷いに苦しむ時、おそらく「決断を後悔すること、選んだ未来に失望すること」への恐れがとても強まるのではないでしょうか。

「迷う」ということは、結果のわからない不確実性に向き合っている状態ともいえます。
そのような時、人は不安を感じやすい傾向があるようです。

例えば仕事や人間関係でも「わからない」という感覚が不安に繋がる経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、離婚を視野に入れている状態ならば、自分の決断がパートナーや子どもなど、大切な人を不幸にする可能性も頭に浮かび、より大きな恐れに繋がることもあるかと思います。

本来、未来はどうなるかわからないはずなのに、恐れが大きい時は「悪い未来」のイメージに引っ張られがちなのですね。(それは、心が自分を傷つきから自分を守ろうとする防衛的な作用でもあるのですが…。)

では、もしも。

離婚をして、自分も家族も幸せな未来をタイムマシーンで見にいくことができたなら。または、関係修復を頑張れば数ヶ月後にはこんなに楽しくラブラブになっているよ!という未来を見られたら。
いったいどんな気持ちを感じるでしょうか。

迷い続ける理由がかなり減るでしょうし、どちらを選んでも未来が明るいのなら、迷うこと自体が苦しくなくなるのではないでしょうか。

人は辛さの沼の底にいる時、心が「悩み苦しむ自分」のイメージで固定されてしまい、「幸せを感じる自分」を想像することが難しいかもしれません。

しかし、です。

こんなに迷うということは、恐れの中でも必死で幸せを望んでいる自分がいる、ともいえないでしょうか。

「葛藤」というのは、相当なストレスを感じる感情です。ですから「絶対に幸せを手に入れたい」と強く願っていないのなら、早々にこの嫌な感情から離れても良いはずだと思うのです。

気持ちが弱っているとつい、「幸せを感じる」ということから意識が離れてしまいがちです。

ですが「私は今、こんなに迷って苦しんで、幸せになりたいと願っているんだ!」ということに意識を向けられたなら。一体、どんな気持ちになるでしょうか。

そしてもちろん、この迷いの中で「パートナーの幸せ」「家族の幸せ」を一緒に考えて苦しんでいらっしゃる、とっても愛の深い方もたくさんいらっしゃいます。

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離婚?夫婦関係の修復? 迷いの苦しさを抜ける処方箋

離婚か関係修復かで迷い悩む時、多くの人は「自分には幸せを選ぶ力がないのでは」という恐れを感じやすくなります。

しかし、これは真実ではありません。その怖れは突き抜けることができるんです。

人は本来誰でも、心を成長させてより良い未来を選ぶ力を持っています。

ですから大きな決断をする前には、一時的に弱ってしまった心のケアをして、自分自身への信頼を取り戻すことも大切だと私は考えています。

そして、その信頼の軸になるのが

「自分の今までの頑張りを認めて労うことや、自分の愛の大きさに気づくこと」

自分の今までの頑張りを認めて労うこと

夫婦関係が上手くいかない時、それまでの頑張りが無駄だったように感じたり、頑張ったこと自体をも否定してしまうこともあったりします。

ですが、今まであなたが大切な人に対して頑張ってきたことが、必ずあるはずなのです。

「もう離婚かも…」そんな考えがよぎるのは、相手のためにエネルギーを使って、それでも報われないと感じてしまったからかもしれません。

ぜひ、大切な人のためにしてきたことを「具体的に」思い出し、ここまで頑張ってきたご自身を認めてしっかりと労ってあげてほしいな、と思います。

自分の愛の大きさに気づくこと

私たちは心が傷付いて弱った時、つい自分の愛をちっぽけに扱ってしまいがちなようです。

ですが、あなたは今まで、どれだけ相手を理解しようと、尽くそうと、愛そうとされたでしょうか。

愛をどのような言動に変えて、大切な人に接してきたでしょうか。

上手くいかなかったことがあったとしても、大切な人に向けた愛が自分にあるということを、しっかりとご自身に落とし込んでみてほしいのです。

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たくさん悩んできた人に頑張っていない人はいませんし、愛のない人が夫婦関係で苦しむことはない、と私は常々感じています。

ご自身の頑張りや愛に気づき「無力な自分」を手放して自分への信頼を取り戻すこと。

ぜひ大きな決断をする前に取り組んでいただきたいな、と思うのです。

カウンセリングでは、お客様がご自身では見えづらくなっている頑張りや愛の深さ、恐れの先にある希望などをお伝えさせていただき、決断の恐れを抜けるお手伝いをさせていただくこともあります。

「自分は幸せを選べる」という自信が持てるようになると、その幸せには今のパートナーが必要なのか、離れた方が良いのか、「決める」ことに対する恐れが減ってゆくかと思います。

自分の選択はきっと後悔しない、と腹を括れるようになるんですね。

さらに、気持ちに余裕が持てると自分を含めたみんなの最善に意識を向けやすく、より後悔のない選択に繋がるかもしれません。

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最後に:今、迷いの中にいても、あなたの選択はあなた自身で正解にできます

離婚か、夫婦関係の修復か。どちらを選んでも、それぞれの結果として日々は続きます。

時には「失敗だったかな?」という気持ちがよぎることもあるかもしれません。

ですが毎日の中で、良いことと悪いこと、どちらを見るのか。正解だったと思いたいのか、間違いだったと思いたいのか。その意識次第であなたの選択は、正解にも間違いにもなるのですね。

それを決めるのは、他の誰かではなくあなた自身ですし、もし間違ったと思うことがあっても、人の心はそれを学びや糧に変えることもできます。どのような選択でも、自分次第で正解にしてゆくことは可能です

今、迷いの苦しさの中にいる方に、この記事がお役に立ちましたら嬉しいです^^