(1からの続きです)
私が社会人になったばかりの頃、職場にうまく対応できず、とても辛い時期がありました。やることなすこと空回りで、その度に当時の上司をイライラさせてしまい怒鳴られる毎日、まるで地獄に向かうような絶望的な気持ちで職場に向かっていたのです。
日々、怖さや無力感や焦りばかりが心に広がっていて「どうしたら怒られずに済むのだろう…」という思いでいっぱい。上司への怖さがとにかく強すぎて、自分で考えて仕事をするということもできない、まさに思考停止状態でした。
そして私は当時の彼氏に、その上司の愚痴ばかり言っていました。ですから、デートはいつも私の愚痴タイムです。
「あの人は私ができていないことばかり指摘して、毎日粗探しばかりする。私だって、毎日慣れない仕事を必死でやってるのに、良いところは何も見てくれない。毎朝気持ちが重くて、辛くてたまらない。」
私の愚痴に、彼は始めの頃こそ付き合って慰めてくれましたが、そんなことが続くと、さすがに嫌になります。
「そこまで辛いなら、辞めてもいいんじゃない?」と彼は言ってくれるのですが、当時の私はその言葉にも「生活があるのに辞めるなんてできない!」と即座に却下。
「本当にひどい上司で、私は毎日職場に行って怒られることしかできない。あなたは彼氏なんだから、せめて愚痴を聞いて辛い気持ちをわかってよ」。
彼からしたら、もうお手上げですよね…。アドバイスは無下にされ、楽しい時間も過ごせない。ただひたすら愚痴を聞くしかない時間です。
お気づきかと思いますが、当時の私のこの態度、アカウンタビリティのかけらもない上に彼に対しても、すごく依存的です。
結局、このような私の態度が原因で、その彼とはお別れになりました。(実は当時、その彼は大学4年生、就職活動真っ只中でした。そりゃ「やってられん!」となる気持ちが、今ではよ〜くわかります^^;)
そしてもう一つ、当時の私に抜けていた視点があります。
それは「上司は毎日どんな気持ちか」ということです。
彼女(女性の上司でした)も怒りたくて怒っているわけじゃない、本当に職場が忙しくて余裕がなくて、やっと人が増えて助かると思ったら、想像以上に覚えの悪い新人(私のことです)で…。
そしてこの新人は、指摘するたびにビビッて気力を無くし、ジメジメして、コミュニケーションもめちゃくちゃ取りにくいのです。きっと彼女も、「もう、どうやってこの人(私です)を扱えばいいの!?」という気持ちだったと思います。
もちろん私も辛かったし、新しい環境で余裕がなかったという部分もあるのですが(ここが、責任は100:0ではないという部分ですね)、その時の私は「うまくいかなくてもできることをやってみよう、こうしてみよう」と、自分にできることを見つける努力も、完全に放棄していました。
「どうせ何をしても怒られる、私が頑張っても意味がない、もうただ怒られていればいいんでしょ」。そんな風に投げやりな気持ちで、日々の仕事の時間をやり過ごそうとしていました。
ただ「上司に怒られないように」ということを軸に考え、「上司が怒らなくなる以外、状況は変わらない」という思いで働く毎日。私にできることがあるなんて、これっぽっちも考えられませんでした。
今思えば、当時の私にもできることや選択の自由はあったのです。自分の判断で良いと思うように仕事をしてみる、間違ったら学んで次に生かす、せめて上司と元気にコミュニケーションをとる、などなど。
または、そこまで負荷が大きいなら、もう見切りを付けて「自分の責任で会社を辞める」ということもできたのです。
残念ながらこの職場では、あまりに上司との仲が拗れてしまい、私は会社辞令で別の部署に移動になりました。
(3に続きます)