こちらは私が実際に心理学やカウンセリングを通して“ひと皮むけた!”と実感できたお話です。
できるだけわかりやすいように…!と熱が入りすぎて、つい長くなってしまったのですが、私の経験が少しでもお役に立ちましたらとても嬉しいです。
私は子どもの頃、祖母が大嫌いでした。我が家は6人家族で、父・母・私・妹、そして母方の祖父と祖母が一緒に住んでいました。
私が祖母を嫌った理由は、その大変な身勝手さです。
祖母はいつも「自分がルール!」で、何か落ち度があっても決して謝ることもなく、自分が良いと思うものは絶対に他の人にも良いのだと疑わない人でした。
例えば。
祖母はある信仰を持っていたのですが、家族の中でその信仰を持つのは祖母だけでした。
それにもかかわらず、何かの節目には家族全員揃って、立派な神棚に向かってお参りをする習慣を作ったり、子どもの私に「お布施をするのは良いことだ」と教え込んだり。(ある程度の年齢になるまで、私はお金を自分のために使うことよりお布施を優先していました)
またある時は、まだ小さな私の妹と一緒に自転車で出かけ、孫を連れているにも関わらず、横断歩道や信号を自分の「大丈夫」の判断で勝手に進んでしまったり。(帰った妹は、「おばあちゃんの運転は怖すぎるからもう一緒に行きたくない!」と話していました)
そして大変な着道楽で、気に入った高価な着物を買うために積み立てていた保険を解約したことも。(それは先々母に入るお金だったため、母は横で「え、嘘でしょ!?」と思っていたそうです…)
さらに我が家は父が婿養子なのですが、結婚する時に祖母が父に「今、あなたの家からうちに引っ越してくると方角が悪い」と言ったために、父はわざわざ一旦別の住まいに引っ越した後、我が家に引っ越し直したのです。(こんな関係なので父と祖母は、祖母が亡くなる最後まで、かなり距離のある義理の親子でした…)
一時が万事こんな状態なので、家族はたまったものじゃありません。もちろん、そんな祖母の横暴ぶりに他の家族も腹を立て、我が家はいつも喧嘩が絶えませんでした。
私は長い間、うちが喧嘩ばかりなのは祖母のせいだと思っていました。
「サザエさんやちびまる子ちゃんのおばあちゃんはあんなに優しいのに、なんでうちのばばあは、こんなに身勝手なんだ!」
ずっとそんな風に感じて、私から「平和なおうち」を奪った祖母を大人になってもどこかで恨んでいたのです。
そして。その祖母の夫である祖父もまた、「身勝手な祖母に振り回される優しいおじいちゃん」…などではありませんでした。
高校の教師をしていて、外できちんとしている反動か「家でくらい好きにさせろ!」と、とても我儘になってしまう、なかなかの曲者じじいだったのです。
祖母は祖父とは再婚なのですが(なんと祖母が10歳年上!)祖父がいない時にはよく、「この結婚は周りに押し切られて嫌々したんだ」と、こぼしてもいました。
我が家にはまるで、親よりも厄介な大親がいるような状態だったため、私は実家が窮屈で仕方なく、就職と同時に家を出て、そのまま寄り付かなくなりました。
30歳になった頃、私は心理学を学ぶようになり、その講座やワークショップで、親や家族の話をする機会が増えました。
そしてある日、祖母の話をした時です。
その話を聞いたカウンセラーは、こともあろうか「智子さんはお婆さん似なんだね~」などと言い出したのです。
「!!!???
冗談じゃない!私のどこがあんな身勝手ばばあなんだ!?」
その時の私は、驚き混乱し、「この人は何を見てるんだ!?」とめちゃめちゃ嫌な気持ちになりました。
でも実は。
その時カウンセラーが見て、私に重ねた祖母の姿は、私が思っている様な「迷惑な身勝手ばばあ」とはまったく違うものだったのです。
(2に続きます)