「共感しない夫」に共感できなかった話

夫婦のための心理学

※こちらは、カウンセリングサービスのアメーバーブログ『恋と仕事の心理学』に執筆した記事の転載になります。

あなたのパートナーさんは、あなたの話や感情に共感してくれる人でしょうか。

一般的に「男性は感情よりも理屈が得意」なんていわれることも多く、パートナーに対して「私の気持ちに寄り添ってくれない」と感じる方も多いのかな〜って思います。

今回はそんな、共感のお話です。

共感ではなく意見になる夫

「共感」というのは、肯定でも否定でもなく相手の感情に寄り添うこと。
うちの夫さん、「共感」というものが本当に苦手なんですね。
苦手というより、できないという方が近いようです。

たとえば。
私がテレビドラマを見ていて「あ〜、このシーン切ないね〜」って言ったとき。
平気で「え、でもさ。これは仕方ないことだよね。だって〇〇が…」と理屈でガッツリ反論されるんですね。

「そんな見解を求めてるんじゃない!アンタと話すの疲れるわ!!」と不機嫌になる私。
以前の私はこのことに深刻に悩み、ときには夫に食ってかかり、本気の喧嘩になることもありました^^;

ところがあるとき、私にとっては衝撃的な言葉を聞くことになります。
毎度のように、なんでいつも共感してくれないの?という話になったとき。

夫がこう言ったんです。
「だから共感って何?賛同じゃないの?違う意見には賛同できなくて当然でしょ」

夫の中では何が「共感」に当たるのか、全然腑に落ちてなかったようです。
これじゃ私がどんなに求めても無理なはずだ…。

そのとき初めて、夫は悪気とか面倒とかではなく、共感がわからないからできないんだ、ということを知ったんですね。
もしかしたら我が家の夫以外にも、こういう男性はいるかもしれません。

感情を表現することや共感力は女性の方が豊かだといわれています。
多くの男性同士の会話では「感情を共有する」ということが少ないようです。
感情の話が少ないとしたら「感情に寄り添う」という概念も、ピンとこないのかもしれません。

どうして私は共感が欲しかったのか

そもそも、どうして私がこんなに共感にこだわったのかというと。
私の感覚に夫が寄り添ってくれないということが、めちゃくちゃ寂しい時期があったのです。

「夫婦なんだから、愛があれば私の気持ちに寄り添ってくれるものでしょ」
無意識にそんなことを感じていました。

でも実は、この「夫婦なんだから」っていう感覚が、けっこう曲者なんですね。

私は結婚前、夫が共感してくれないことへの寂しさは感じなかったはず。
だけど、そのときの夫が私の感情に共感してくれていたかというと、そんなことはないんですよね。
それでも「この人といると楽しいな」と思って結婚したわけです。

夫の物言いは以前とは変わらない。とすると。
変わったのは、私の感じ方でした。

私が夫に腹を立てていた時期、私の夫への要求は気づかないうちに強くなっていました

夫婦って一緒にいる時間が長くなると、つい「別々の心や性質を持った人間だ」という意識が薄くなりがちです。
「相手にもこう思って欲しい、きっとこうしてくれるだろう」という思いが、当たり前になりやすいんですね。

共感だけに関わらず、生活のいろいろなことに対して生まれる感覚です。
無意識に「これくらいの気遣いはしてくれて当然」っていう気持ちが、互いに生まれやすいのが夫婦関係

これは心の距離の近い相手に感じることが多い、依存感情のひとつです。

そしてこのときの私、夫には寄り添ってくれることを求めながら、自分は夫にこう思っていました。
「妻の感情に寄り添うっていう当たり前のこと、できないはずないでしょ」って。

これ、夫の苦手なことに、全然寄り添っていない態度です…。

「そっか〜。そんなに苦手なんだね〜」という共感、できてませんでした。
夫にはめちゃめちゃ要求していたのに、です。(反省してます…)

共感にこだわらなくなって見えたもの

こんなふうに、夫に「してくれて当然でしょ」ってイライラしていたときに聞いたのが、この言葉です。
「共感って何?賛同じゃないの?違う意見には賛同できない」

私はこの言葉を聞いたとき、驚いたのと同時に拍子抜けしてしまったんですね。

え、共感が何かわからない人がいるの???
しないんじゃなくて、できないならしょうがないか〜って。

それと同時に、こんなに責めて怒っていたことにも、なんだか申し訳ない気持ちになりました。
できない・わからないことで妻に何度も不機嫌になられたら、そりゃたまんないよなって…。

実際、夫は何も悪気があるわけではないので、どうリアクションすれば良いのか、かなり気を遣っていたのでした。
(これは後から知りました。夫、ほんとごめん…)

*

相手の苦手なことを求めるのはやめようって思えると、あたらめて見えるものがありました

夫は共感は超苦手だけど、サービス精神やユーモアは私よりも豊かだな。
自分ができるやり方で、私のことを一生懸命サポートしてくれてる
な。
2人で好きなテレビを見ているときは、自然に共感(夫のいうところの同意)できて楽しめてる。

夫が楽しみながら与えてくれることや、2人で自然に楽しめることに意識を向けてみるとーー。
もらえていないものが気にならなくなり、私もいい気分でいられるんですよね。

今でも「これ〇〇だね〜」というほんの何気ない会話で、引っ掛かりを感じることはあります。
「そう思うんだね〜」って緩やかに流れることは稀で、たいてい同意や反論や見解が返ってきます。
私の心のコンディションによっては、イラッとすることも…笑

だけど「もらっていないものよりも、今もらっているものに目を向ける」という方法を1度覚えると。
イラッとする自分も含めて「あ、いつものパターンだわ〜」って笑える私がいて、それがすごく楽なんですね。
この方法、パートナーにイライラするときに、ぜひ使ってみてくださいね。

あなたの恋愛や夫婦関係に、何かお役に立ちましたら幸いです。

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