夫に勇気を出してほんとの気持ちを伝えたのに、受け止めてもらえませんでした…
こんなご相談をいただくことがあります。
夫婦の間に問題が起こるとき、「本心をパートナーに伝えられていない」ということはよくあります。
お互いに本心を言える夫婦の関係性がうまくいくことは多いです。
けれど、じゃあいつでも本音を伝えればうまくいくかというと、そうともいえないんじゃないかな…というお話です。
本音を伝え合うことが関係性を良くする理由
多くの人は、親やパートナーなど心理的な距離が近い人にほど「自分のことをわかってほしい、受け入れてほしい」という欲求(ニーズ)を持ちます。
たとえば、あかの他人には、自分をわかってほしい…なんて思いませんよね。
職場の人ならば、仕事をする上で不便でない程度にわかってほしいと感じるかもしれません。
そしてパートナーには、より深くわかってほしい、受け入れてほしいと感じるのではないでしょうか。
パートナーシップではお互いの考えや感情を共有することで、わかってもらえている・受け入れてもらえている、という安心感が生まれます。
また、自分もパートナーのことをわかっている、と感じられることで親密感が生まれます。
お互いに安心感や親密感を感じられているとき、2人の間の空気は穏やかで柔らかいものになります。
これがストレスや我慢の少ない関係性、夫婦関係での「うまくいっている」という状態です。
本音を伝え合うことで関係性が悪くなる場合
うまくいく夫婦は自立と依存が入れ替わっている
夫婦関係は(当たり前ですが)相手があってのことです。
わかってほしい、とあなたが思うように相手もまた、わかってほしい・受け入れてほしいと思うときがあるはず。
そしてお互いに人間なので、心身の調子の良いときと、そうでないときがありますよね。
心に余裕があるときとないときでは、受け入れられるキャパも変わります。
夫婦関係で、受け入れる側・受け入れられる側が適度に入れ替わる関係性を「相互依存」といいます。
どちらかが一方的に甘えたり支えたりするのではなく、ときによって自立と依存が入れ替わるのです。
余裕のある方が弱っている方を支えられれば、2人がいつも完璧でいる必要はなく、とっても楽ですよね♪
依存心どうしが向き合うときに起こること
ですがもし、お互いに余裕のない状態が重なったとしたら。
どちらも相手を受け入れる心の余裕がなく「わかってほしい、受け入れてほしい」と思って本音を伝え合ったとしたら。
お互いがお互いに「夫婦なんだから今はわかってよ!」というニーズのぶつけ合いが起こってしまうんです。
仲の良かった夫婦関係が悪くなってしまうとき、実はこのようなことが原因で、心がすれ違ってしまっていることも多くあります。
例えば、仕事に疲弊する夫と家事育児に疲弊する妻、お互いが心身ともにギリギリのとき。
心身の余裕があれば受け入れられることも、深く傷ついてしまう、受け流すことができない、ということが起こります。
わかってほしい・助けてほしいと思って相手に伝えたことが、逆に相手を傷つけたり怒らせてしまう、ということも。
これ、すっごく切ないな…って感じるのですが…。
このニーズが切実であるほど、受け入れられなかったときのショックや悲しみも大きくなります。
もし、お互いに異なる「切実な気持ち」を抱えた状態で向き合ったとしたら。
両方が「こんなに必死の思いを受け入れてもらえなかった」と失望して、相手に愛を感じることが難しくなってしまうかもしれません。
怒りの下の感情を伝えてもうまくいかないことも…
対人関係の心理学ではよく「怒りではなく、怒りの下にある感情を伝えましょう」といわれます。
確かに怒りよりはその下にある本当の感情、「寂しい」とか「悲しい」の方が伝わりやすいですよね。
ただ、時と場合と相手によっては、そのような伝え方ですらパートナーには「責められている」と捉えられてしまうこともあります。
とくに罪悪感の強い人の場合「寂しくさせた自分が悪いのか?」「悲しくさせたと責められてるのか?」
そんなふうに「責められている」と受け取ってしまうこともあるのです。
そしてときには、自衛のための相手への攻撃や心の引きこもり「無視」などの、悪い態度になってしまうことも。
勇気を出して怒りの下の感情を伝えたのに、こんな対応をされてしまったら。
ちょっともう、どうしていいのかわからなくなってしまうのではないでしょうか…。
本音を伝えることが難しいときの対処法
ニーズを夫以外に受け止めてもらうという方法
お互いが「わかってほしい、受け止めてほしい」と感じ、余裕がない状態のとき。
私がおすすめしたいのは、張り詰めたつらい感情をいったん、パートナー以外の人に受け止めてもらうという方法です。
そうすることであなたの心の「ガス抜き」ができます。
とはいえ。
パートナーなんだから、私の気持ちは夫に伝えなきゃダメでしょ?
2人の問題だし、2人で向き合って解決しなきゃ意味がない。
そんなふうに考える方もいらっしゃるかもしれません。(私がそうでした…)
そのお気持ちは、とってもわかります。
ですが、お互いに人間なので心の調子の良し悪しや、受け入れられるキャパシティもあります。
そして1度相手に伝えた言葉は、当たり前だけどなかったことにはできません。
気持ちに余裕がない状態で、お互いの言葉に対して感情がどう動くか、それはわからないんですね。
そんなつもりで言ったんじゃないのに…ということも、たくさんあります。
夫以外の人に話すことでつらさを手放して、心に余裕をつくってあげると。
そのワンクッションで、お互いに張り詰めた感情をぶつけ合うことを避けられます。
「ニーズの分散」を使って本音を上手に伝える
「私の本音を話せるのはパートナーだけ」
「パートナーにだけは、私の思いをぜんぶ受けれてほしい」
このような思いがあることを「ニーズの集中」といいます。
人に頼ったり甘えることが苦手な人ほど、この傾向があるかもしれません。
わかってほしい、受け入れてほしいというニーズが、心を許した夫に一点集中してしまうのですね。
けれど、もし夫にその余裕がなくて受け止めてもらえないと。
つらさの行き場がなくなってしまい、よけいに苦しくなってしまいます。
パートナーのつらさを受け止めるのは、愛があっても心に余裕がないと難しいことです。
「ニーズの分散」とは、夫以外に頼ったり甘えられる人を増やすことで、夫への一点集中の依存を緩める効果があります。
ぜひ1人で抱えずに、信頼できる人やカウンセラーを使ってみてくださいね。
依存先が増えると、あなた自身がとても楽になりますからね。
家の外で、つらさの「ガス抜き」ができると、余裕を持った心理状態で夫に接することができます。
いっぱいいっぱいの心を緩めてからパートナーに向き合っても遅くはないですよ^^
心が張り詰めた状態で夫と向き合ったとき、本来のあなたの良さは隠れてしまいがちです。
あなたが本当は持っている優しさ・思いやりを表現できないことで、関係性が悪化してしまったとしたら。
それはすごーくもったいないことだと思うのです。
だけど、つらい感情を緩めて心の余裕を取り戻したあなたなら。
きっと、本来の魅力を上手に使ったコミュニケーションができるはずですよ。
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